2024年の無線通信は、「Wi-Fi 7」がトレンドとなるでしょう。
2023年は、「Wi-Fi 6E」を利用するために、固定ルーターを購入された方が多かったと思います。
2024年は、さらなる進化を遂げた「Wi-Fi 7」となります。
「Wi-Fi 7」がどんなものなのかをご紹介します。
「Wi-Fi 7」とは?
Wi-Fi 6・6Eをベースにして、さらに高速通信が可能となった無線通信規格です。
規格名称「IEEE802.11be」と言います。
【Wi-Fiのナンバリング規格】
Wi-Fi 4(2007年):802.11n
Wi-Fi 5(2013年):802.11ac
Wi-Fi 6(2019年):802.11ax
Wi-Fi 6E(2021年):802.11ax
Wi-Fi 7(2024年):802.11be
Wi-Fiのナンバリング規格は、ノートパソコンなどの電子機器にどの規格までが対応しているのか分かるように記載されています。
そのため、Wi-Fi規格が古いものしか対応していないノートパソコンは、インターネット通信が途切れやすくなる可能性があるということです。
「Wi-Fi 7」と「Wi-Fi 6・6E」との違い
○最大通信速度
Wi-Fi 7 ⇒ 最大46Gbps
⇧ 約4.8倍
Wi-Fi 6・6E ⇒ 最大9.6Gbps
最大通信速度が、Wi-Fi 6・6Eと比較するとWi-Fi 7が約4.8倍となります。
あくまでも、理論値で、最大数値ではありますが、速度差は、かなりの差が出ます。
○MLO (Multi-Link Operation)
・Wi-Fi 6・6Eの場合
2.4GHz、5GHz、6GHzの3つの周波数帯のいずれかしか使えません。
そのため、6GHz帯の電波が不安定の場合、5GHzもしくは2.4GHzのいずれかを選ぶ必要があります。
・Wi-Fi 7の場合
2.4GHz、5GHz、6GHzの3つの周波数帯をまとめて利用できるようになりました。
そのため、干渉波を受けても途切れづらくなり、安定した通信を楽しめるようになっています。
○320MHz幅通信
Wi-Fi 6・6E ⇒ 160MHz幅
⇩ 2倍の幅
Wi-Fi 7 ⇒ 320MHz幅
320MHz幅通信とは、通信回線が通る道の広さのことを表しています。
例えば、Wi-Fi 6・6Eの場合、トラック2台が通れる道幅だとしましょう。
Wi-Fi 7の場合、トラックが4台通れる道幅ということです。
シンプルに渋滞せずに、ネット通信ができるようになるので、ネット通信していて遅くなるという頻度が少なくなります。
○4096QAM
Wi-Fi 6・6E ⇒ 1024QAM
Wi-Fi 7 ⇒ 4096QAM
一度に表現できる情報量が、約4倍の差があるということです。
情報量を増やすことができたことで、通信速度は、1.2倍に増加しています。
○Multi-RU (Multi-Resource Unit)
1ユーザーへの周波数割り当て数を複数与えることができているのが、Multi-RUです。
元々は、1ユーザーが、1つの周波数しか使えなかったところが、複数の周波数を利用できるようになることで、通信の安定性を保つことができるようになっています。
○パンクチャリング
パンクチャリングは、干渉波を受けてしまい、周波数帯が分断されることがあります。
これまでは、分断された片方しか利用できないという状況でした。
ただ今回、分断された両方を利用できるようになったのが、パンクチャリングと言います。
Wi-Fi 6・6Eは、パンクチャリング機能はありません。
「Wi-Fi 7」はどのようなことに役に立つのか?
○UHDの視聴など
4K・8K動画を大きいモニター画面で、観ようと思うと、かなりの通信容量を使います。
Wi-Fiの最大速度を上げることで、快適な動画視聴を可能となってきます。
○VRやARなどの
VRやARなどの利用は、増えてきています。
VRやARは、現実の物理空間と仮想空間を融合した体験ができます。
グラフィック性も高いのもあり、インターネット通信の容量は大きくなります。
インターネット通信を安定させて、VRやARなどを利用しようと思うと、Wi-Fiの精度は高ければ高いほどよくなります。
○ハイブリッドワーク
テレワークをしている方は、家庭内でのWi-Fi接続数+テレワークのためのインターネット通信が必要です。
その場合、テレワークの際のインターネット通信容量は、大きくなることもあり、家庭内のネット通信を考慮すると、少し重たくなる可能性が高いです。
その場合、Wi-Fi 7を利用することで、ご自宅のネット通信もそうですが、お仕事にも影響せずに済むのはあります。
「Wi-Fi 7」の提供時期はいつ?
「Wi-Fi 7」の提供時期は、2024年~です。
Wi-Fiルーターを各ルーター会社が販売を始めると、家電量販店などで、手に入れることができるようになります。
現時点では、ルーターの価格帯は分からずという状態です。
予想としては、Wi-Fi 6・6E対応ルーターよりも、2,000円~3,000円の値上がりするのではないでしょうか。
まとめ
「Wi-Fi 7」という最大通信速度が速くなったルーターを使ってみたいというのはあります。
ただ、Wi-Fi 7を体感しようと思うと、
・Wi-Fi 7対応のノートパソコンもしくはスマホ
・Wi-Fi 7対応のルーター
この2点を揃えないといけません。
現時点では、Wi-Fi 7に対応したノートパソコンは、発表されていないため、Wi-Fi 7を体験できるまでに、少し時期を待つ必要があります。
Wi-Fi 7対応のルーターは、各社で発表されています。
最大通信速度が約4.8倍なので、速く体験できることを楽しみにしています。