インターネット契約でよく見かける「IPv6(アイピーブイシックス)」。
光回線の申込ページで「IPv6対応」や「IPv6(IPoE)対応ルーターが必要」などの表記を見る機会が増えています。しかし、このIPv6は実際に何をしてくれるのか、そして1Gbps・10Gbpsの光回線速度とどのように関係しているのか、正しく理解できている人は多くありません。
今回は、IPv6と光回線の関係を深掘りし、
「IPv6にしたら速くなるのはなぜ?」
「10Gbps回線との相性は?」
「IPv4はもう使えないの?」
といった疑問を体系的に解説していきます。

■ IPv6とは何か?まずは基本から理解する
IPv6とは、インターネットの通信方式(プロトコル)のひとつで、正式名称は Internet Protocol Version 6。
従来のIPv4(Version 4)の後継として作られた新バージョンです。
● IPv6が生まれた背景:IPアドレス不足問題
インターネットに接続されたすべての機器には、必ず「IPアドレス」が割り振られます。
- IPv4アドレスは約43億個
- しかしスマホ・PC・IoT機器・サーバーなどが爆発的に増え、アドレスが枯渇
この問題を解消するために、ほぼ無限ともいえる数のアドレスを扱える IPv6 が導入されました。
IPv6のアドレス数
340澗(かん)以上
= 3.4×10の38乗
地球上のあらゆる機器に割り当てても余るほどの膨大な数です。
■ IPv4とIPv6の違いを簡単に比較
| 項目 | IPv4 | IPv6 |
|---|---|---|
| IPアドレス数 | 約43億 | ほぼ無限 |
| 通信方式 | PPPoEが主流 | IPoEが主流 |
| 混雑が起きやすい | 起きる | 起きにくい |
| 対応状況 | すべての機器で対応 | 最近の機器は対応、古い機器は非対応あり |
| セキュリティ | 追加設定が必要 | 標準で強化 |
特に重要なのが
多くのIPv6サービスは「IPoE方式」
従来のIPv4は「PPPoE方式」
で通信することです。
ここが速度差の本質となります。
■ 速度が速くなる「IPoE方式」とは?
IPv6=速い、という認識が広まっていますが、正確には
速度が速い要因は「IPv6で使えるIPoE方式」
です。
● PPPoEの仕組み(IPv4の通信方式)
PPPoEは、インターネット接続の認証作業(ID/PW)を経由するため、「網終端装置(BRAS)」と呼ばれる装置に集中します。
その結果、
- 夜間
- 休日
- 学生が多い地域
などで混雑しやすく、速度低下の原因になります。
例えるなら
高速道路が一本しかなく渋滞する状態。
● 一方、IPv6のIPoE方式は?
IPoEは認証を必要とせず、インターネットに直接つながるようなイメージです。
- 混雑する装置を通らない
- 帯域幅が広い
- 経路が短い
そのため速度低下が起きにくく、特に夜間でも安定しやすいというメリットがあります。
例えるなら
高速道路がいきなり何車線も増えるような状態。
■ IPv6にすると本当に速くなる?実際の体感
IPv6の最大のメリットは 混雑しないこと。
そのため、
- 時間帯による速度低下が消える
- 高速通信が安定して出る
- 動画が止まらない
- オンラインゲームが安定する(ping改善)
- テレワークが快適
など、体感上の“ストレス”が大きく減ります。
特に夜間のYouTubeやNetflixの読み込みが速くなるという声が非常に多いです。
■ IPv6は10Gbps回線と相性が良い(非常に重要)
10Gbps回線を使う上でIPv6は必須と言っても良いレベルで重要です。
なぜか?
10Gbpsという高速回線は、10Gbps級の帯域でデータを送れる通信方式が必要だからです。
ところが、
従来のIPv4+PPPoEだと帯域が細く、10Gbpsの性能を引き出せません。
言い換えれば、
● 10Gbps回線 × IPv4(PPPoE)
→ ボトルネックが発生し1Gbps級しか出ない
● 10Gbps回線 × IPv6(IPoE)
→ 初めて10Gbpsの帯域が活かせる
したがって、10Gbps回線の最大性能を使いたいなら
IPv6(IPoE)対応は必須
ということになります。
■ IPv6でも速度が出ないケースはある?
IPv6にしたのに速度が出ない…というケースは以下が原因です。
① IPv6対応ルーターではない
→ 対応ルーターに買い替えが必要
② ルーターが10Gbps非対応
→ 1Gbpsポートしかないと速度は1Gbpsに制限される
③ LANケーブルが古い
CAT5e → 1Gbpsまで
CAT6 → 1Gbps(条件により2.5Gまで)
CAT6A → 10Gbps
④ スマホ・PCの対応状況
古い機器はIPv6非対応の場合がある
■ IPv6で「オンラインゲームは速くなる?」の真実
オンラインゲームにおいて重要なのは
- ping(応答速度)
- jitter(ゆらぎ)
- 安定性
IPv6にするとpingが改善する理由
PPPoE方式(IPv4)は経路が長く、混雑に弱い。
IPoE方式(IPv6)は経路が短く混雑しにくい。
そのため、
- FPS
- バトロワ
- MMO
などで操作の遅延が起きにくくなります。
■ IPv6のセキュリティはどうなのか?
IPv6は基本設計の段階からセキュリティを強化しています。
- IPsecが標準対応
- アドレスが膨大で攻撃しづらい
- NAT不要で経路がシンプル
IPv4よりもセキュリティ面で優れていますが、
最終的にはルーターのファイアウォール設定や端末のウイルス対策が不可欠です。
■ IPv4はもう使えないの?→ NO
IPv6が普及しても、IPv4はしばらく共存します。
現状、インターネット上のサイトの一部はまだIPv4でしか提供されていません。
そのため、多くの通信方式は
「IPv6+IPv4」両方使えるデュアルスタック方式
を採用しています。
- 新しいサービス → IPv6でつながる
- 古いサイト → IPv4でつながる
そのため互換性の心配は不要です。
■ 光回線+IPv6の最適構成
10Gbps回線でも1Gbps回線でも、IPv6を使うためには以下が必要になります。
● IPv6(IPoE)対応ルーター
ほぼ必須。古いルーターは非対応。
● 光回線側のIPv6オプション
主要回線は標準料金内でIPv6提供あり
- フレッツ光
- ドコモ光
- 楽天ひかり
- auひかり(一部独自)
- NURO光(IPv6方式が独自)
● PC・スマホ側の対応
最近の機器はすべてIPv6対応しています。
■ IPv6と1Gbps/10Gbps回線の最終結論
◎ 1Gbps回線
IPv6にすると混雑が減り、体感速度が1.5〜3倍安定
◎ 10Gbps回線
IPv6(IPoE)がほぼ必須
→ IPv4では性能を引き出せない
◎ IPv4とIPv6は共存し、両方必要
■ 最後に:IPv6は「速度を安定させるための必須要素」
結論をまとめると、
【IPv6の本質まとめ】
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| IPv6の役割 | IPアドレス枯渇問題解決+高速化対応 |
| 大きなメリット | 速度が安定(混雑回避) |
| 主な方式 | IPoE(=高速通信の核) |
| 光回線との関係 | 1Gbpsでも10Gbpsでも相性抜群 |
| 10Gbps回線の必須要素 | IPv6(IPoE) |
| ゲームへの影響 | ping安定、遅延減少 |
| セキュリティ | 強化されている |