スマートフォンを契約するとき、これまでは小さなカード状の「物理SIM」を端末に挿し込むのが一般的でした。しかし近年では、端末内部にあらかじめSIM情報を書き込んで使う「eSIM」が急速に普及しています。

2023〜2025年の間で、日本国内でeSIMを提供するキャリアや格安SIM(MVNO)は大幅に増加しており、最新スマホではeSIM専用モデルが登場するなど、業界全体がeSIMへ移行しつつあります。

今回は、
✔ 物理SIMとeSIMの明確な違い
✔ それぞれのメリット・デメリット
✔ どんな人にどちらが向いているか
✔ 乗り換え時の注意点

詳しく解説します。


■ そもそもSIMとは?

スマートフォンに入っている「SIM」とは、
通信会社の契約情報(電話番号/データ通信情報)を保存したICチップ のことです。

SIMがなければ次のことはできません。

  • 4G/5Gによるモバイル通信
  • 電話番号を使った音声通話
  • SMSの送受信

SIMには 物理SIMeSIM の2種類があり、どちらも役割は同じですが、利用方法や利便性が大きく異なります。


■ 物理SIMとeSIMの違い

ここでは両者の基本的な違いを整理します。

項目物理SIMeSIM
形式カード(nanoSIMなど)端末に内蔵されたチップ
差し替え物理的に抜き差しするデジタルで切り替える
発行方法郵送・店頭手続きQRコード/アプリで即時発行
即日利用不可(郵送待ちあり)可能(5分〜10分)
複数プロファイル不可複数登録が可能
故障リスク曲がる・破損・紛失の可能性ほぼなし(端末故障時のみ)

最大の違いは、SIM情報を「カードで挿す」か「書き込む」か。
この違いが、利便性や使いやすさに大きく影響してきます。


■ 物理SIMのメリット・デメリット

▼ 物理SIMのメリット

① 挿してすぐ認識する“安心感”

物理SIMはスマホに挿すだけで認識されるため、昔からの利用者には安心感があります。
特別な設定やQR読み取りも不要で、操作に不安のある人には適しています。

② SIMを抜けば端末をすぐ売却・譲渡できる

端末を手放すとき、物理SIMを抜き取れば個人情報が残りません。

中古市場では、物理SIM対応端末が根強く人気な理由の一つです。

③ 一部の古い端末・海外端末でも広く利用できる

物理SIMは対応機種が圧倒的に多く、
古いスマホや一部の海外モデルでは eSIM非対応 の場合もあります。

④ SIMカードを複数持ち歩ける

状況に応じて、

  • サブ回線用のデータSIM
  • 海外旅行用のプリペイドSIM
    などをカードケースに入れて持ち運べます。

▼ 物理SIMのデメリット

① 発行や再発行に時間がかかる

  • 新規申し込み:SIMカードの郵送を待つ
  • 再発行:店舗へ行く/再発行手数料
  • 乗り換え:SIM到着まで数日待つ

というように、スピード感がありません。

② SIMの破損・紛失リスク

物理SIMはとても薄いため、

  • 折れる
  • 曲がる
  • ピンセットで傷つける
    などのリスクがあります。

SIMスロットの故障リスクもゼロではありません。

③ 端末交換時の作業が面倒

スマホを買い替えたとき、
SIMの抜き差し → 再起動 → 認識確認
という作業が必要。

不器用な人には意外とストレスです。


■ eSIMのメリット・デメリット

▼ eSIMのメリット

① 申込後すぐに利用できる(最短5分)

eSIMはQRコードを読み込むか、アプリで設定するだけで開通します。

  • SIMカードの配送待ちがない
  • 店頭で待つ必要もない

この便利さが急速に普及している最大の理由です。

② 物理的な破損・紛失がない

端末に内蔵されているため、
折れる・無くす、といったトラブルがありません。

③ 海外旅行での利便性が圧倒的に高い

Airalo、Nomad などの海外eSIMサービスを使えば、
現地到着前に日本で設定 → 降りた瞬間に通信可能
という使い方ができます。

空港でSIMを買う必要がなくなり、旅のストレスが大幅に減ります。

④ 複数回線の併用(デュアルSIM)が簡単

eSIM対応スマホの多くが
物理SIM + eSIM のデュアルSIM対応

用途に応じて

  • 物理SIM:メイン番号
  • eSIM:格安データ専用回線
    といった使い分けが可能です。

⑤ 店舗に行かなくても乗り換えが完結

MNPによる乗り換えも、すべてオンラインで完結します。
夜中でも休日でも、好きなタイミングで乗り換えできます。


▼ eSIMのデメリット

① 端末故障時に復旧が面倒

スマホが故障して電源が入らないと、
eSIMプロファイルが取り出せず、再発行が必要になります。

物理SIMのように「抜いて別端末へ挿す」ことができません。

② 対応していない端末がまだ存在する

最新スマホはほぼ標準対応ですが、

  • 古いAndroid
  • 一部の廉価モデル
  • 海外の特殊端末

などでは利用できないことがあります。

③ キャリアによっては設定が分かりにくい

eSIMの設定はキャリアごとに異なり、
慣れていない人には少し難しく感じることがあります。

④ 乗り換え時に「プロファイル削除」が必要なことも

端末を手放す前に
eSIMのプロファイル削除 が必要な場合があります。

これを忘れると、次のユーザーが問題なく使えない可能性があります。


■ 物理SIMとeSIMのメリット・デメリット比較(総まとめ)

以下に両者の特徴をまとめます。

項目物理SIMeSIM
利便性△(抜き差し必要)◎(オンラインで完結)
発行速度遅い(配送待ち)速い(即時開通)
故障リスク物理破損・紛失の可能性端末故障時のみ影響
乗り換えやすさ
海外利用○(現地SIM購入)◎(事前準備OK)
端末依存少ないあり(非対応端末あり)
初心者の使いやすさ△(設定に慣れが必要)

■ どんな人にどちらが向いている?

■ eSIMが向いている人

  • スマホをよく買い替える人
  • オンラインで素早く手続きしたい人
  • 海外旅行が多い人
  • デュアルSIMでコスパを最適化したい人
  • 格安SIMを試してみたい人(即日開通したい)

特に「乗り換えを頻繁に行う人」には圧倒的にeSIMがおすすめです。


■ 物理SIMが向いている人

  • ガラケーや古いスマホを使っている人
  • eSIM非対応端末を利用している人
  • SIMの設定が苦手な人
  • SIMを複数端末で入れ替えて使いたい人

例えば、タブレット・モバイルWi-Fiなど複数機器を使う人は、
物理SIMの方が扱いやすいことがあります。


■ 物理SIM → eSIMへ乗り換える時の注意点

eSIMへ変更する場合、以下の点に気を付けましょう。

① プロファイルの再発行に手数料がかかることがある

キャリアによって、eSIMの再発行には数百円〜数千円の手数料が発生することがあります。

② 端末がeSIMに対応しているか確認

Androidは特にモデル差が大きく、事前確認は必須です。

③ 乗り換え後は旧プロファイル削除が必要な場合がある

端末を売却する前に、
「設定 → モバイル通信 → eSIM削除」を忘れないようにしましょう。


■ eSIM普及の背景(2023〜2025)

日本でeSIMが急速に広がった背景には以下が挙げられます。

  • キャリアがオンライン化に力を入れた
  • iPhoneがeSIM標準化を推進
  • 格安SIMが即日開通サービスを強化
  • 海外eSIMサービスの爆発的普及

特に海外旅行でのeSIMの便利さは一度使うと戻れないレベルです。


■ まとめ:これからはeSIMが主流になる

物理SIMとeSIMにはそれぞれメリット・デメリットがありますが、
2025年以降は確実にeSIMが主流になる と言えます。

  • 発行スピードが圧倒的に速い
  • 乗り換えがオンラインで完結する
  • 海外利用に強い
  • デュアルSIM運用が簡単

という大きな利点があるためです。

ただし、

  • 古い端末
  • 設定に自信のないユーザー
  • SIMを複数端末で入れ替えて使うケース

では、依然として物理SIMの価値も残ります。

あなたの利用スタイルに合わせて、
最適なSIM方式を選ぶことが大切です。

By ぱんだ

白黒うさぎを飼っている30代の独身男のぱんだです。 通信携帯業界に約10年以上携わったガジェット好き。 今後、通信系の経歴を活かし、情報発信やうさぎ、自分の趣味も数多くあり新しいお得な情報を分かりやすくお届けします。

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