「5G対応スマホを使っているのに、思ったほど通信速度が速くない」
「5G SAなら、5G NSAよりも必ず高速になるの?」
「そもそも5G SAと5G NSAって何が違うの?」
このような疑問を持っている人も多いのではないでしょうか。
5Gには、大きく分けて**「5G NSA(Non-Standalone)」と「5G SA(Standalone)」**という2つのネットワーク構成があります。
5Gが日本で商用化された当初は、既存の4G LTE設備を活用できる5G NSAが中心でした。一方、現在は5G専用のコアネットワークを利用する5G SAの整備も進んでいます。
では、5G SAにすると、5G NSAより通信速度は速くなるのでしょうか。
結論からいうと、5G SAのほうが必ず高速になるわけではありません。しかし、実際の利用環境では5G SAのほうが高速通信や低遅延を実現しやすく、5G NSAより高い通信性能を発揮するケースがあります。
実際、日本におけるユーザー体験を分析したOpensignalの2025年の調査では、5G SAのダウンロード速度は5G NSAの約1.7倍、アップロード速度は約1.5倍、UDP遅延は平均25%短縮されたと報告されています。
ただし、これは「SAという名前が付いているだけで1.7倍速くなる」という意味ではありません。
基地局の周波数、電波状況、利用者数、端末性能、通信事業者の設備構成など、さまざまな条件によって実際の速度は変わります。
今回は、5G SAと5G NSAの違い、通信速度が変わる理由、メリット・デメリット、5G SA対応スマホを選ぶ意味、今後5G SAが重要になる理由について、初心者にも分かりやすく解説します。

5G SAと5G NSAは何が違う?
まず、5G SAと5G NSAの最大の違いを理解しておきましょう。
簡単に説明すると、
- 5G NSA=4Gの設備を一部利用する5G
- 5G SA=5G専用設備だけで構成する5G
です。
「5Gなのだから、どちらも5Gではないの?」と思うかもしれません。
もちろん、どちらも5Gの通信技術を利用しています。
違うのは、5G通信を支えるネットワーク全体の構成です。
5G NSAでは、5Gの基地局を利用しながら、ネットワークの制御やコア部分などに4G LTEの設備を利用します。
一方、5G SAでは、基地局だけでなくコアネットワークにも5G専用設備を利用します。
経済産業省の資料でも、5G導入初期には既存のLTE設備と5Gの無線技術を組み合わせるNSA方式が利用され、その後、無線アクセスネットワークとコアネットワークを5G設備で構成するSAへ移行する考え方が説明されています。(経済産業省)
5G NSAとは?
5G NSAは「5G Non-Standalone」の略です。
日本語では「5Gノンスタンドアローン」などと呼ばれます。
Non-Standaloneという名前の通り、5Gだけで通信を完結させない方式です。
4G LTEのネットワークをベースとして、その上に5Gの無線通信を組み合わせます。
イメージとしては、
4Gネットワーク+5G基地局
という構成です。
より正確には、5G NSAでは4Gのコアネットワーク「EPC」などを利用しながら、5Gの無線技術であるNRを組み合わせます。
NTTの技術解説でも、5G NSAでは4GのEPCを利用し、5G基地局と4G基地局を組み合わせる構成が説明されています。(NTT技術ジャーナル)
なぜ5G NSAが使われたのか?
5Gが登場したからといって、携帯電話会社が一夜にして全国のネットワークを5G専用に変更できるわけではありません。
日本全国には、すでに大量の4G基地局やコアネットワーク設備が存在していました。
これらをすべて一から5G専用設備へ置き換えるには、膨大な設備投資と時間が必要です。
そこで、
既存の4G設備を活用しながら5G基地局を追加する
という方法が採用されました。
これが5G NSAです。
経済産業省も、NSA方式には既存のLTE基地局との連携によって5Gを早期に導入できるメリットがあると説明しています。(経済産業省)
つまり5G NSAは、「5Gの完成形ではないからダメな方式」ではありません。
むしろ、5Gを早期に普及させるための現実的な導入方法だったといえます。
5G SAとは?
5G SAは「5G Standalone」の略です。
日本語では「5Gスタンドアローン」と呼ばれます。
Standaloneという名前の通り、5Gだけでネットワークを構成する方式です。
5G SAでは、
- 5G基地局
- 5Gコアネットワーク
を組み合わせます。
つまり、
5G基地局+5Gコア
という構成です。
NTTドコモも、5G SAについて「5G専用のコアネットワーク設備である5GCと5G基地局を組み合わせた方式」と説明しています。(ドコモ)
ソフトバンクも、5G SAは4Gコア設備と5G基地局を組み合わせるNSAとは異なり、5G専用コア設備と5G基地局で構成されるネットワークだと説明しています。(ソフトバンク)
5G SAと5G NSAの違いを簡単に比較
ここまでの内容を表にすると、次のようになります。
| 項目 | 5G NSA | 5G SA |
|---|---|---|
| 正式名称 | Non-Standalone | Standalone |
| 基地局 | 5G | 5G |
| コアネットワーク | 主に4G | 5G |
| 4G設備への依存 | あり | 基本的になし |
| 導入しやすさ | 高い | 低い |
| 導入コスト | 抑えやすい | 大きい |
| 通信速度 | 高速 | より高性能化しやすい |
| 低遅延 | 5Gの性能を活用 | より低遅延化しやすい |
| 多数同時接続 | 可能 | 5G本来の機能を活用しやすい |
| ネットワークスライシング | 制約あり | 対応しやすい |
| 主な役割 | 5G普及の初期段階 | 5Gの本格活用 |
重要なのは、5G NSAと5G SAの違いは「電波そのものが5Gかどうか」だけではないということです。
ネットワークの中心部分まで5G化されているかどうかが大きな違いです。
5G SAと5G NSAでは速度が変わる?
ここが今回の最大のポイントです。
結論としては、
5G SAのほうが高速になるケースはありますが、5G SA=必ず高速というわけではありません。
これは非常に重要です。
たとえば、5G SAに対応していても、
- 基地局から遠い
- 電波が弱い
- 建物の中にいる
- 利用者が多い
- 使用する周波数帯が低速
- スマホのアンテナ性能が低い
- 基地局側の設備が混雑している
といった条件では、期待した速度が出ないことがあります。
逆に、5G NSAでも、
- 電波状態が良い
- 高性能な5G基地局を利用している
- 空いている時間帯
- 高性能なスマホを利用している
といった条件なら、非常に高速な通信が可能です。
それでも5G SAのほうが速くなりやすい理由
5G SAのメリットは、単純に「5G基地局を使っている」ということではありません。
5G専用のコアネットワークを利用することで、5Gのネットワーク性能をより活かしやすくなることが大きなポイントです。
特に重要なのが、4Gネットワークの混雑から受ける影響です。
NTTドコモは、5G NSAでは4G設備を組み合わせるため4G通信の混雑の影響を受ける場合がある一方、5G SAでは5Gネットワークで通信が完結するため、その影響を受けにくいと説明しています。(ドコモ)
つまり、
5G SA=5Gの能力を発揮しやすいネットワーク
と考えると分かりやすいでしょう。
実際に5G SAはどのくらい速い?
「理論上ではなく、実際にはどうなの?」
という疑問もあるでしょう。
ここでは、日本のユーザーを対象にしたOpensignalの調査結果が参考になります。
2025年7月に公開された分析では、日本の5G SAユーザーは5G NSAユーザーと比較して、
- ダウンロード速度:約1.7倍
- アップロード速度:約1.5倍
- UDP遅延:約25%短縮
という結果が示されています。(OpenSignal Insights)
これはかなり大きな差です。
ただし注意したいのは、この数字がすべての場所・すべての端末で再現されるわけではないということです。
通信速度はネットワークの構成だけで決まらないからです。
「最大速度」と「実際の速度」は違う
通信サービスについて調べていると、
「最大4.9Gbps」
「受信最大○Gbps」
などの数字を見ることがあります。
しかし、これはあくまで技術上の最大値です。
NTTドコモも5G SAについて、最大速度は技術規格上の最大値であり、実際の通信速度を示すものではなく、通信環境や混雑状況によって変化すると説明しています。(ドコモ)
これは非常に重要です。
たとえば、
5G SAだから最大4Gbps出る
という意味ではありません。
実際の速度は、
基地局の性能+周波数+電波状況+端末性能+ネットワーク混雑+利用場所
などによって決まります。
5G SAだから必ず速いとは限らない
ここで、5G SAに対する誤解を整理しておきましょう。
誤解1:5G SAなら必ず1Gbps以上出る
これは違います。
通信速度は環境によって変わります。
誤解2:5G NSAは遅い
これも正確ではありません。
5G NSAでも高速通信は可能です。
誤解3:SA対応スマホならどこでもSAになる
これも違います。
5G SAを利用するには、
- スマホが5G SAに対応している
- 携帯電話会社が5G SAを提供している
- SAエリア内にいる
- 契約条件を満たしている
などの条件が必要になる場合があります。

5G SAのメリット
5G SAには、通信速度以外にも大きなメリットがあります。
高速・大容量通信を活かしやすい
5Gの大きな特徴は、
- 高速通信
- 大容量通信
- 低遅延
- 多数同時接続
です。
5G SAでは、5G専用コアネットワークを利用することで、これらの性能をより柔軟に活用できます。
auも、5G SAによって高速・大容量通信に加え、将来的なネットワークスライシングなどの機能を活用できると説明しています。(au)
低遅延通信に強い
5G SAの重要な特徴が「低遅延」です。
速度と遅延は別物です。
通信速度は、
どれだけ大量のデータを短時間で送れるか
を示します。
一方、遅延は、
通信してから反応が返ってくるまでの時間
です。
例えば、
「Webページを一気に読み込む」
なら高速通信が重要です。
一方、
「オンラインゲームで操作した瞬間にキャラクターが動く」
「遠隔操作で機械を動かす」
といった用途では低遅延が重要になります。
Opensignalの日本向け分析では、5G SAのUDP遅延がNSAより平均25%短縮されたと報告されています。(OpenSignal Insights)
オンラインゲームとの相性が良い
5G SAの低遅延性能は、オンラインゲームなどでもメリットになります。
ただし、
5G SAならゲームの勝率が上がる
という意味ではありません。
重要なのは通信の応答性です。
例えば、
- アクションゲーム
- FPS
- 格闘ゲーム
- レースゲーム
- クラウドゲーム
などでは、通信遅延が大きいと操作に対する反応が遅れることがあります。
5G SAは、このようなリアルタイム性の高い通信に適したネットワークを構築しやすいのです。
動画視聴ではどのくらい違う?
YouTubeなどの動画を見るだけなら、
「5G NSAでも十分速い」
という人も多いでしょう。
これはその通りです。
例えば高画質動画をストリーミング再生する程度なら、5G NSAでも十分な通信速度が出るケースがあります。
そのため、
動画を見るだけなら5G SAに変えたら劇的に変わる
とは限りません。
ただし、
- 高画質動画
- 4K動画
- 大容量ファイル
- 大容量ゲームのダウンロード
- テザリング
- クラウドへの大量アップロード
などでは、高速通信のメリットを感じやすくなります。
5G SAは「速度」よりも「5Gの本格活用」が重要
5G SAについて考える場合、通信速度だけに注目するのは少しもったいありません。
むしろ重要なのは、
5Gの本来の機能をネットワーク全体で活用できること
です。
5G SAでは、5Gコアネットワークを利用することで、ネットワークスライシングなどの新しい機能を実現しやすくなります。
ネットワークスライシングとは?
ネットワークスライシングとは、簡単にいうと、
1つの物理的なネットワークを用途ごとに仮想的に分ける技術
です。
例えば、同じ5Gネットワークでも、
- 大容量通信向け
- 低遅延通信向け
- IoT向け
- 企業向け
など、異なる通信条件を設定できます。
イメージとしては、高速道路を想像すると分かりやすいでしょう。
通常の道路では、乗用車もトラックもバスも同じ道路を走ります。
しかし、ネットワークスライシングでは、仮想的に、
「高速通信用レーン」
「低遅延用レーン」
「IoT用レーン」
などを作るようなイメージです。
実際にはもっと高度な仕組みですが、初心者にはこのように考えると分かりやすいでしょう。
企業にとって5G SAは特に重要
5G SAの恩恵は、一般ユーザーだけに限りません。
むしろ企業や産業分野で大きな可能性があります。
例えば、
- 工場
- 自動運転
- ロボット
- ドローン
- 医療
- スマートシティ
- 大規模イベント
- 映像制作
などです。
例えば工場でロボットを遠隔操作する場合、単純な通信速度だけではなく、通信の遅延や安定性が重要になります。
5G SAは、このような用途に合わせてネットワークを設計しやすいことが特徴です。
5G SAのデメリット
メリットばかりではありません。
5G SAにはデメリットもあります。
対応端末が必要
まず、スマートフォン側が5G SAに対応していなければなりません。
「5G対応スマホ」と「5G SA対応スマホ」は、必ずしも同じではありません。
ここはスマホを購入するときに注意したいポイントです。
すべての5GエリアがSAとは限らない
5G SAは5G NSAとは別のネットワーク構成です。
そのため、5Gの電波が入っているからといって、必ず5G SAを利用できるとは限りません。
携帯電話会社によって、
- 対応エリア
- 対応周波数
- 対応端末
- 契約条件
などが異なります。
例えばauは2024年11月から全国のSub6エリアを5G SAエリアとして利用できるようにしたと案内しています。(au)
一方で、各社のネットワーク構成やSA対応状況は異なるため、利用前に公式サイトで確認することが大切です。
5G SAはバッテリー消費が増える?
「5G SAにするとスマホの電池が減りやすくなるのでは?」
という疑問もあります。
5Gスマホでは、通信状況や利用する周波数、端末のモデム、基地局との接続状態などによって消費電力が変わります。
そのため、
5G SAだから必ずバッテリーが大幅に減る
とは言えません。
むしろネットワークや端末の設計が進化することで、効率的な通信が期待できます。
スマホの電池持ちは5G SA/NSAだけで判断するのではなく、端末そのものの省電力性能も重要です。
5G SAを使うには何が必要?
5G SAを利用するためには、基本的に次の条件を確認する必要があります。
1.5G SA対応スマホ
端末がSAに対応している必要があります。
2.5G SA対応の通信事業者
契約している携帯電話会社が5G SAを提供している必要があります。
3.5G SAエリア
SAが提供されている場所で利用する必要があります。
4.料金プラン・オプション
携帯電話会社によっては、利用条件やオプション契約が設定されている場合があります。
この点はキャリアによって違うため、契約前に確認しましょう。
5G SA対応スマホを買うべき?
では、スマートフォンを買い替えるとき、
「5G SA対応を選んだほうがいい?」
という疑問が出てきます。
結論としては、
これから長期間スマホを使う予定なら、5G SA対応スマホを選ぶ価値は十分あります。
理由は、5G SAの普及が今後進むと考えられるからです。
5Gは単なる「4Gより速い通信」から、
低遅延・多接続・ネットワーク制御を含めた次世代ネットワーク
へ進化しています。
5G NSAのメリットもまだ大きい
では、5G NSAはもう不要なのでしょうか。
そんなことはありません。
5G NSAには、
- 既存4G設備を利用できる
- 導入コストを抑えやすい
- 広いネットワークを活用しやすい
- 5Gを早期に展開できる
という大きなメリットがあります。
実際、5G導入初期にNSAが広く使われたのは、既存の4Gネットワークを有効活用できたからです。(経済産業省)
つまり、
NSA=古くてダメ
という考え方は正しくありません。
5G NSAから5G SAへ移行する理由
では、なぜ携帯電話会社はSAを導入するのでしょうか。
最大の理由は、
5G本来の性能を活用するため
です。
NSAは4G設備を活用することで、5Gを早く展開できました。
しかし、4G設備をベースにしている以上、5G専用の機能を十分に活用できない部分があります。
そこで、
4Gを活用した5G → 5G専用ネットワーク
へ進化させるわけです。
これはスマートフォンだけでなく、産業用途を含めた5Gの本格的な普及に向けた重要なステップです。
「5G」と表示されていてもSAとは限らない
スマートフォンの画面を見ると、「5G」と表示されることがあります。
しかし、
5G表示=5G SA
ではありません。
5G表示だけでは、NSAなのかSAなのかを判断できない場合があります。
端末によってはSA接続時に専用表示を行うこともありますが、表示仕様はメーカーや通信事業者によって異なります。
そのため、
「スマホに5Gと表示されたから5G SAだ」
とは考えないようにしましょう。
5G SAとNSAの速度を左右するもの
通信速度を比較するときは、次の項目も重要です。
周波数帯
5Gには複数の周波数帯があります。
一般的には、
- Sub6
- ミリ波
などがあります。
ミリ波は非常に広い帯域幅を利用できる一方、電波の届く範囲が狭く、障害物の影響も受けやすいという特徴があります。
そのため、
SAだから高速
だけではなく、
どの周波数帯の5Gを利用しているか
も重要です。
基地局からの距離
同じ5G SAでも、基地局から離れれば通信品質が低下する可能性があります。
例えば、
基地局の近く
↓
電波状態が良い
↓
高速通信しやすい
という傾向があります。
一方、
基地局から遠い
↓
電波が弱い
↓
速度が低下する可能性
ということになります。
建物の影響
屋内では、壁や窓などによって電波が弱くなることがあります。
特に高い周波数帯ほど、建物などの障害物の影響を受けやすくなります。
そのため、
「屋外では1Gbps出るのに、自宅では200Mbpsしか出ない」
ということも珍しくありません。
これは5G SAの問題とは限りません。
混雑状況
通信速度に大きな影響を与えるのが混雑です。
例えば、
- 駅
- スタジアム
- コンサート会場
- 商業施設
- 花火大会
- 大型イベント
などでは、一度に大量のユーザーが通信します。
5G SAは4G側の混雑の影響を受けにくくなるメリットがありますが、5Gネットワーク自体が無限の通信容量を持つわけではありません。
5G SAでも利用者が集中すれば速度が低下する可能性があります。
スマホの性能も重要
同じ5G SAエリアでも、スマホによって速度が変わる場合があります。
スマホには通信モデムが搭載されており、
- 対応周波数
- 5G対応バンド
- キャリアアグリゲーション
- MIMO
- アンテナ性能
- モデム性能
などによって通信能力が変わります。
つまり、
5G SA対応=すべてのスマホが同じ速度
ではありません。
5G SAはテザリングにもメリットがある?
5G SAの高速通信はテザリングでも活用できます。
例えば、
- ノートパソコン
- タブレット
- ゲーム機
などをスマホ経由でインターネットにつなぐ場合です。
特に、
- 大容量ファイルの送受信
- オンライン会議
- 動画アップロード
- クラウドサービス
- ソフトウェア更新
などでは高速通信のメリットを感じやすくなります。
ただし、テザリングではスマホの発熱やバッテリー消費も増えるため、長時間利用する場合は注意が必要です。
5G SAは4Gよりどれくらい速い?
「5G NSAとSA」だけでなく、「5G SAと4G LTE」も気になるところです。
一般論として、5Gは4G LTEより高速・低遅延・大容量通信を目指して設計されています。
ただし、実際の速度差は場所によって大きく変わります。
例えば、
4Gが100Mbps、5G NSAが500Mbps、5G SAが800Mbps
になることもあれば、
4Gが150Mbps、5G NSAが300Mbps、5G SAが250Mbps
となる可能性もあります。
つまり、
通信方式だけで実測速度を決めることはできません。
5G SAと5G NSA、どちらを選ぶべき?
スマホユーザーとしては、
「どっちを選べばいいの?」
ということになるでしょう。
基本的には、
選べるなら5G SA対応を選ぶ
のがおすすめです。
理由は、今後5G SAを利用する機会が増える可能性があるからです。
ただし、
「5G SA対応スマホだから高額でも買うべき」
とまでは言えません。
例えば、
- SNS中心
- Web検索中心
- LINE中心
- YouTube中心
- 4Gでも十分満足
という人なら、5G SA対応だけを理由に高額スマホへ買い替える必要はないでしょう。
こんな人は5G SAのメリットを感じやすい
5G SAがおすすめなのは、例えば次のような人です。
大容量通信をよく使う人
動画やゲームなど、大量のデータを扱う人。
テザリングをよく使う人
スマホをモバイルルーター代わりに利用する人。
オンラインゲームをする人
通信遅延をできるだけ抑えたい人。
最新スマホを長く使いたい人
今後の5Gサービスを積極的に利用したい人。
5Gエリアに住んでいる人
5G SAの恩恵を受けられるエリアで頻繁にスマホを使う人。
逆に5G SAをあまり気にしなくてもいい人
一方で、
- 通話中心
- メール中心
- SNS中心
- Web閲覧中心
- 動画は標準画質で十分
- 通信速度に不満がない
という人なら、5G SAを必須条件にする必要はありません。
スマホ選びでは、
バッテリー、カメラ、画面、価格、OSアップデート期間
などを優先したほうが満足度が高くなる場合があります。
5G SAの今後はどうなる?
5G SAは、単なる通信速度向上のためだけの技術ではありません。
今後は、
- 自動運転
- スマート工場
- 遠隔操作
- XR
- ドローン
- IoT
- 高度な映像配信
- エッジコンピューティング
など、さまざまな分野で利用される可能性があります。
ソフトバンクも5G SAについて、高速大容量だけでなく、低遅延・多接続などを活用する将来的なサービス展開を示しています。(ソフトバンク)
つまり、
5G NSA=5G普及のための重要なステップ
に対して、
5G SA=5Gの本格活用を実現するための基盤
と考えると分かりやすいでしょう。
まとめ:5G SAはNSAより速くなる可能性が高いが「必ず」ではない
ここまで、5G SAと5G NSAの違いについて解説してきました。
重要なポイントをまとめると、次のようになります。
5G NSAとは
4Gのコアネットワークなどを利用しながら5G基地局を組み合わせる方式です。
5Gを早期に普及させるために重要な役割を果たしてきました。
5G SAとは
5G基地局と5G専用コアネットワークを組み合わせる方式です。
5Gの性能をネットワーク全体で活用しやすくなります。
速度は変わる?
変わる可能性があります。
2025年のOpensignalの日本向け分析では、5G SAのダウンロード速度はNSAの約1.7倍、アップロード速度は約1.5倍、UDP遅延は平均25%短縮されました。(OpenSignal Insights)
ただし、これはあくまで調査結果であり、すべてのユーザーが同じ差を体験するわけではありません。
実際の速度は、
- 周波数
- 電波強度
- 基地局
- 混雑状況
- スマホ性能
- 場所
- 時間帯
などによって変わります。
したがって、
「5G SAなら必ず5G NSAの2倍速い」
とは考えないようにしましょう。
5G SAの本当の魅力は「速度」だけではない
5G SAの最大の価値は、単純な通信速度の向上だけではありません。
5G専用コアネットワークを利用することで、
高速・大容量・低遅延・多数同時接続・ネットワークスライシング
など、5G本来の機能を活用しやすくなります。
特に企業や産業分野では、スマート工場、自動運転、遠隔操作、IoTなどへの応用が期待されています。
一方、一般的なスマホユーザーにとっては、5G SAに対応したからといって必ず劇的な変化を感じるとは限りません。
動画視聴やSNS、Web閲覧が中心なら、5G NSAでも十分な場合があります。
しかし、大容量通信、テザリング、オンラインゲーム、低遅延通信などを重視する人にとっては、5G SAのメリットを感じられる可能性が高くなります。
今後スマートフォンを買い替えるのであれば、価格やカメラ性能だけでなく、
「5G SAに対応しているか」
もチェックしておくとよいでしょう。
5Gは「4Gより速い通信」という段階から、ネットワークそのものを用途に合わせて柔軟に制御する時代へ進みつつあります。
その中心的な役割を担うのが、5G SAなのです。