インターネット回線を調べていると、「光回線」「ADSL」「VDSL」という言葉を目にすることがあります。
どれもインターネットへ接続するための通信方式ですが、実はそれぞれ「使っている回線」「通信速度」「利用できる場所」「現在の状況」が大きく異なります。
特に分かりにくいのが「VDSL」です。
「VDSL」という名前から、ADSLと同じような古いインターネット回線だと思っている人もいるかもしれません。しかし、VDSLは現在でも一部のマンションなどで利用されており、光回線サービスの一種として提供されるケースがあります。
一方、ADSLは電話線を利用してインターネットへ接続する方式でしたが、日本ではすでにサービス終了が進み、NTT東日本の「フレッツ・ADSL」は2025年1月31日をもって提供終了となっています。
では、光回線・ADSL・VDSLには、具体的にどのような違いがあるのでしょうか。
今回は、3つの通信方式について、
- そもそも何が違うのか
- 通信速度はどれくらい違うのか
- どのような配線を使うのか
- マンションではVDSLが使われるのはなぜなのか
- 光回線なのにVDSLになるのはなぜなのか
- ADSLが終了した理由
- VDSLは今でも使って大丈夫なのか
- 光回線へ変更したほうがよいケース
- 光回線を選ぶときのポイント
などを初心者にも分かりやすく解説します。

光回線・ADSL・VDSLの違いを簡単に比較
まず、3つの違いを簡単に整理してみましょう。
| 項目 | 光回線 | ADSL | VDSL |
|---|---|---|---|
| 主な伝送媒体 | 光ファイバー | 電話線 | 光ファイバー+電話線 |
| 主な利用場所 | 戸建て・マンション | 戸建て・マンションなど | 主に集合住宅 |
| 通信速度 | 高速 | 低速 | 光回線より遅い |
| 安定性 | 高い | 距離などの影響を受けやすい | 電話線部分の影響を受ける |
| 現在の新規利用 | 主流 | ほぼ終了 | 一部で利用 |
| 代表的な用途 | 動画・ゲーム・在宅勤務など | 過去の一般的なネット利用 | マンションの既存設備を利用 |
| 特徴 | 高速・大容量 | 電話線を利用 | 建物までは光、各戸までは電話線 |
最大のポイントは、「光回線」と「VDSL」は必ずしも対立するものではないということです。
VDSL方式でも、マンションの建物までは光ファイバーを利用している場合があります。
NTT東日本の説明でも、集合住宅のフレッツ光には「光配線方式」「VDSL方式」「LAN配線方式」の3種類があり、VDSL方式では既存の電話配線を使って各戸まで接続するとされています。
つまり、
光回線=すべて光ファイバー
とは限りません。
ここを理解すると、光回線とVDSLの違いがかなり分かりやすくなります。
そもそも「光回線」とは?
光回線とは、光ファイバーを使ってインターネット通信を行う回線です。
光ファイバーは、電気信号ではなく光を利用してデータを送受信します。
従来の電話線を利用する通信方式と比べて、大容量のデータを高速かつ安定して送受信できることが大きな特徴です。
現在、日本で家庭用インターネット回線を契約する場合、光回線は非常に代表的な選択肢となっています。
「フレッツ光」「光コラボ」「NURO 光」「auひかり」など、さまざまなサービスがあります。
サービスによって利用する設備や回線網、料金体系などは異なりますが、基本的には光ファイバーを利用してインターネットへ接続します。
光回線の基本的な仕組み
戸建て住宅の場合、イメージとしては、
電柱など → 光ファイバー → 自宅 → ONU → Wi-Fiルーター → スマホ・パソコン
という流れになります。
ONUは、光ファイバーから送られてくる光信号を、家庭内のネットワーク機器が扱える信号へ変換するための装置です。
そのため、光回線を契約すると、ONUやホームゲートウェイなどの機器を利用するケースがあります。
Wi-Fiを利用する場合は、その先にWi-Fiルーターを接続します。
光回線はなぜ高速なのか?
光ファイバーは大容量のデータ通信に向いています。
現在の光回線サービスでは「1Gbps」「10Gbps」などの高速なサービスも珍しくありません。
もちろん、1Gbpsのサービスを契約したからといって、スマートフォンやパソコンで常に1Gbpsが出るわけではありません。
実際の通信速度は、
- 利用する端末
- LANケーブル
- Wi-Fi規格
- ルーター性能
- 回線の混雑状況
- 接続方式
- サーバー側の状況
などによって変わります。
そのため、「最大1Gbps」という数字は、実際の利用時に必ず1Gbps出るという意味ではありません。

ADSLとは?
ADSLは、電話回線に使われていた銅線を利用してインターネットへ接続する通信方式です。
ADSLは「Asymmetric Digital Subscriber Line」の略称です。
日本では2000年代を中心に広く普及し、光回線が現在ほど一般的ではなかった時代に、高速インターネットを家庭へ普及させる役割を担いました。
ADSLの大きな特徴は、既存の電話線を利用できたことです。
新たに光ファイバーを家庭まで引き込まなくても、電話回線を利用してインターネットを始められるため、当時としては導入しやすいサービスでした。
ADSLは電話とインターネットを同時利用できた
ADSLでは、電話共用型の場合、1本の電話回線を電話とインターネットで共用できました。
NTT東日本のフレッツ・ADSLでも、電話共用型では加入電話と共用して利用する仕組みが案内されていました。
「インターネットを使っている間は電話が使えない」という仕組みではありません。
周波数帯を分けることで、電話とインターネットを同時に利用できるようにしていました。
この仕組みは、当時としては非常に便利でした。
ADSLはなぜ普及したのか?
ADSLが普及した理由の一つが、既存の電話線を利用できたことです。
当時は家庭に固定電話が設置されているケースも多く、すでに電話線が住宅まで引き込まれていました。
そのため、新しい通信インフラを大規模に整備しなくてもインターネットサービスを提供できました。
また、ダイヤルアップ接続と比較して通信速度が大幅に向上したことも普及の理由です。
ダイヤルアップ接続では、インターネットを利用するたびに電話回線へ接続する必要があり、通信速度も現在から見ると非常に低速でした。
ADSLの登場によって、
「インターネットを常時接続しておく」
という現在では当たり前になった利用スタイルが広まりました。
ADSLには大きな弱点があった
便利だったADSLですが、電話線を利用することによる弱点もありました。
代表的なのが、電話局から利用場所までの距離や電話線の状態によって通信速度が変わりやすいことです。
ADSLでは、利用場所と通信設備の距離が長くなるほど、通信品質に影響が出やすくなります。
また、電話線の品質や周辺環境などによっても影響を受ける場合があります。
つまり、
「契約上は高速なADSLなのに、実際にはそれほど速度が出ない」
ということが起こり得ました。
NTT東日本のフレッツ・ADSLについても、最大伝送速度は技術規格上の最大値であり、実使用速度を示すものではないと説明されています。
ADSLの速度はどれくらいだった?
ADSLには複数の速度タイプが存在しました。
NTT東日本のフレッツ・ADSLでは、最大47Mbpsの「モアIII」などが提供されていました。
一方で、上り通信速度は下りより大幅に低く、モアIIIでは下り47Mbpsに対して上り5Mbpsでした。
これはADSLの名前にある「Asymmetric」、つまり「非対称」という特徴にも関係しています。
一般的なインターネット利用では、
- Webサイトを見る
- 動画を見る
- ファイルをダウンロードする
など、下り方向の通信量が多くなります。
そのため、ADSLでは下りを高速にし、上りを低速にする設計が採用されていました。
ADSLが終了した理由とは?
現在、ADSLを新しく契約することは基本的に考えにくくなっています。
その大きな理由が、光回線などへの移行です。
NTT東日本の「フレッツ・ADSL」は2025年1月31日にサービス提供を終了しました。
ADSLは長年にわたって家庭のインターネット環境を支えてきましたが、通信設備の老朽化や利用者減少、高速通信需要の増加などを背景に、光回線などへ移行する流れが進みました。
現在は、
- 高画質動画
- 動画配信
- オンラインゲーム
- ビデオ会議
- クラウドサービス
- 大容量ファイル
- スマート家電
- 複数端末の同時接続
など、ADSLが登場した時代とは比較にならないほど通信量が増えています。
そのため、電話線を利用したADSLよりも、光ファイバーを利用した高速通信の重要性が高まっています。
VDSLとは?
ここからが、特に分かりにくいポイントです。
VDSLは「Very-high-bit-rate Digital Subscriber Line」の略称です。
ADSLと同じく、電話線などの銅線を利用するDSL技術の一つですが、家庭用インターネットサービスとしての位置付けには大きな違いがあります。
VDSLは、現在でも一部の集合住宅で利用されています。
なぜなら、VDSLは「建物まで光ファイバーを引き込み、建物内では既存の電話配線を利用して各部屋へインターネットを届ける」という構成に使えるからです。
つまり、
建物までは光ファイバー
↓
マンション内部は電話線
↓
各部屋へ接続
という仕組みです。
「VDSL=ADSLの仲間」だけでは理解できない理由
VDSLとADSLは、どちらもDSL技術を利用しています。
そのため、
「VDSLはADSLと同じ古い回線なのでは?」
と思うかもしれません。
しかし、実際の利用環境はかなり違います。
ADSLでは、電話局などからユーザー宅までの通信に電話線を使います。
一方、マンションのVDSL方式では、建物まで光ファイバーで通信を持ってきて、建物内部の最後の部分だけ電話線を使う構成が一般的です。
イメージすると、
ADSL
通信設備 → 長い電話線 → 自宅
VDSL
通信設備 → 光ファイバー → マンション → 電話線 → 各部屋
となります。
この違いが重要です。
光回線なのにVDSLになるのはなぜ?
「光回線を契約したのに、VDSL方式と言われた」
というケースがあります。
これは珍しいことではありません。
特に古いマンションでは、建物の共用部から各部屋まで光ファイバーを敷設する設備が整っていないことがあります。
一方で、建物の共用部までは光ファイバーが引き込まれている場合があります。
そこで、既存の電話配線を利用して各部屋へ通信を届けます。
これがVDSL方式です。
NTT東日本も、集合住宅の配線方式として光配線方式、VDSL方式、LAN配線方式を案内しており、VDSL方式では既存の電話配線を利用して各戸まで接続すると説明しています。
つまり、
「VDSLだから光回線ではない」
とは限りません。
むしろ、
「光回線サービスだけれど、マンション内の配線方式がVDSL」
というケースがあります。
光配線方式とVDSL方式の違い
マンションの光回線では、特に「光配線方式」と「VDSL方式」の違いを理解することが重要です。
光配線方式
光配線方式では、光ファイバーを各戸まで直接接続します。
イメージは、
電柱など → マンション共用部 → 光ファイバー → 各部屋
です。
各部屋まで光ファイバーが届くため、高速通信に向いています。
NTT東日本も、光配線方式について「光ファイバーを、直接各戸まで接続する方式」と説明しています。
VDSL方式
VDSL方式では、
電柱など → マンション共用部 → 光ファイバー → VDSL装置 → 電話線 → 各部屋
という構成になります。
つまり、マンション共用部までは光ファイバーですが、最後の部分では電話線を利用します。
VDSL方式の最大の弱点は通信速度
VDSL方式の最大のデメリットは、光配線方式と比較すると通信速度に制約があることです。
NTT東日本のフレッツ光では、VDSL/LAN配線方式について通信速度が上下最大概ね100Mbpsと案内されています。
現在では、1Gbpsや10Gbpsなどの高速な光回線サービスが存在するため、100Mbpsという上限は物足りなく感じる人もいるでしょう。
もちろん、100Mbpsでも、
- Web閲覧
- SNS
- YouTubeなどの動画視聴
- 音楽配信
- 一般的なオンライン会議
などは十分利用できるケースがあります。
しかし、
- 4K動画を頻繁に見る
- 大容量ファイルを頻繁に送受信する
- オンラインゲームをする
- 複数人で同時に高速通信を使う
- 高画質動画を配信する
- 大容量データをクラウドへアップロードする
といった用途では、光配線方式のほうが有利です。
VDSLは遅いのか?
「VDSL=遅い」と単純に考えるのも正確ではありません。
重要なのは、何と比較するかです。
ADSLと比較すれば、VDSLは高速な通信を実現できます。
一方、現在の1Gbps光回線などと比較すると、VDSLの100Mbpsクラスは遅く感じる可能性があります。
つまり、
ADSL → VDSL → 光配線方式
という順番で高速化してきたと考えると理解しやすいでしょう。
ただし、実際の速度は回線方式だけで決まるわけではありません。
Wi-Fi環境やルーター、端末、回線混雑なども影響します。
VDSLはなぜマンションで使われるの?
最大の理由は、建物の既存設備を活用できるからです。
マンションの各部屋へ新たに光ファイバーを配線するには、建物の構造や設備、管理会社・オーナーの許可などが関係します。
特に古いマンションでは、各部屋まで電話線がすでに敷設されています。
そこで、その電話線を活用してインターネット通信を行うことで、建物全体の設備変更を抑えながら光回線サービスを提供できます。
つまりVDSLは、
「古い建物の配線設備を活用しながら、光回線を導入するための現実的な方法」
として利用されてきたのです。

VDSL方式にはメリットもある
現在では光配線方式と比較してデメリットが目立ちますが、VDSL方式にもメリットがあります。
工事を抑えられる場合がある
既存の電話配線を利用できるため、建物内に新しい光ファイバーを各戸まで敷設する必要がありません。
そのため、建物の構造によっては光配線化が難しい場合でも、VDSL方式ならインターネットを提供できる可能性があります。
一般的な用途なら十分な場合がある
100Mbpsクラスであれば、一般的なWeb閲覧や動画視聴などには十分なケースがあります。
例えば、スマートフォンでSNSを見る程度なら、1Gbps回線と100Mbps回線の違いを常に体感できるとは限りません。
マンションの設備をそのまま利用できる
VDSL設備が導入済みのマンションなら、既存設備を利用してインターネットへ接続できます。
「古いマンションだからインターネットが使えない」というわけではありません。
VDSL方式のデメリット
一方で、VDSL方式にはいくつかの注意点があります。
1. 最大速度が光配線方式より低い
大きなデメリットです。
光配線方式では1Gbpsなどのサービスを利用できても、VDSL方式では100Mbps程度に制限される場合があります。
2. 電話線部分の影響を受ける
VDSLは建物内で電話線を利用します。
そのため、建物内の配線状況や設備などの影響を受ける場合があります。
NTT東日本も、VDSL方式では集合住宅内の設備状況や他回線との干渉、宅内の通信設備などによって通信速度が低下したり、利用できなくなったりする場合があると案内しています。
3. 将来的な高速化には不利
現在は1Gbpsや10Gbpsなど、高速な通信サービスが増えています。
VDSL方式の設備を利用している場合、こうした高速サービスをそのまま利用できないことがあります。
4. マンション側の設備変更が必要になる場合がある
VDSLから光配線方式へ変更したい場合、利用者が勝手に光ファイバーを引き込めるとは限りません。
建物共用部の工事が必要になる場合があり、管理会社やオーナーなどの了承が必要になることがあります。
NTT東日本では、VDSL/LAN配線方式から光配線方式へ切り替える場合、管理会社の了承のもと、建物共用部への光配線設備の導入が必要と案内しています。
光回線・ADSL・VDSLの違いを「道路」で考えると分かりやすい
3つの違いが分かりにくい場合は、道路にたとえると理解しやすくなります。
光ファイバーを「高速道路」、電話線を「一般道路」と考えてみましょう。
光配線方式
高速道路が目的地の近くまで続いている状態です。
大容量のデータを高速に運びやすくなります。
VDSL方式
高速道路でマンションの近くまで来た後、最後だけ一般道路を走るようなイメージです。
建物までは高速な光回線ですが、最後の部分に電話線を使います。
ADSL
最初から一般道路を長距離走るようなイメージです。
距離が長くなればなるほど、通信性能に影響が出やすくなります。
この違いを覚えておけば、
「VDSLは光回線なの?」
という疑問にも答えやすくなります。
光回線・ADSL・VDSLの違いを速度で比較
速度について整理すると、一般的には次のようなイメージになります。
ADSL < VDSL < 光配線方式
ただし、これは単純化した比較です。
ADSLにも複数の速度タイプがあり、VDSLにもサービスや設備によって違いがあります。
また、光回線でもサービスによって最大速度は異なります。
重要なのは、
「最大速度」と「実際の速度」は違う
ということです。
例えば1Gbpsの光回線を契約しても、Wi-Fi環境が悪ければ十分な速度が出ないことがあります。
逆に、100Mbps程度のVDSLでも、利用環境が良ければWeb閲覧や動画視聴などを快適に利用できる場合があります。
通信速度だけで回線を選んではいけない
インターネット回線を選ぶとき、「1Gbpsだから絶対に速い」「100Mbpsだから使えない」と考えるのはおすすめできません。
実際の快適さは、
回線+宅内設備+端末+利用サービス
で決まります。
例えば、
- 古いWi-Fiルーター
- 2.4GHz帯の混雑
- 古いスマートフォン
- LANケーブルの規格
- パソコンの性能
などが原因で、回線の性能を十分に発揮できないことがあります。
そのため、回線を変更する前に自宅のネットワーク環境を確認することも重要です。
オンラインゲームならVDSLはどう?
オンラインゲームをする場合、通信速度だけでなく「遅延(レイテンシ)」も重要です。
オンラインゲームでは、単純にダウンロード速度が速いだけでなく、ゲームサーバーとの通信が安定していることが重要になります。
VDSLでもオンラインゲームができないわけではありません。
しかし、家族が同時に動画を見たり、大容量ファイルをダウンロードしたりする環境では、帯域に余裕のある光配線方式のほうが安心です。
特に、
- FPS
- 格闘ゲーム
- レースゲーム
- 大人数のオンラインゲーム
など、リアルタイム性が重要なゲームでは、通信環境を慎重に選ぶとよいでしょう。
動画視聴ならVDSLでも大丈夫?
動画視聴については、VDSLでも十分なケースがあります。
HD画質程度の動画を一般的な使い方で視聴するだけなら、100Mbpsクラスでも大きな問題がない場合があります。
ただし、家庭内で複数の端末が同時に通信すると話は変わります。
例えば、
- テレビで動画配信
- スマートフォン2台
- タブレット
- パソコン
- ゲーム機
などが同時にインターネットへ接続すると、必要な通信量は増えます。
そのため、家族でインターネットを頻繁に使う家庭では、より高速な光配線方式が有利です。
在宅勤務ならVDSLでも大丈夫?
在宅勤務も基本的にはVDSLで可能です。
Web会議、メール、チャット、クラウドサービスなどは、100Mbpsクラスでも十分対応できることがあります。
ただし、仕事で大容量ファイルを頻繁に送受信する場合は注意が必要です。
特に、
- 動画ファイル
- 高解像度画像
- CADデータ
- 大容量のバックアップ
- クラウドストレージ
などを扱う場合、上り速度も重要になります。
在宅勤務では「ダウンロード速度だけ」ではなく、「アップロード速度」も確認しましょう。
ADSLとVDSLの違いを整理
ここでADSLとVDSLの違いを整理してみましょう。
ADSL
ADSLは、電話局などから利用者宅までの通信に電話線を利用する方式でした。
特徴は、
- 電話線を利用
- 距離の影響を受けやすい
- 下りと上りで速度が異なる
- 光回線より低速
- 現在はサービス終了が進んでいる
という点です。
VDSL
VDSLは、マンションなどの建物内で電話線を利用する方式として使われています。
特徴は、
- 建物までは光ファイバー
- 建物内では電話線を利用
- 主に集合住宅で採用
- 光配線方式より速度が制限される場合がある
- 現在でも一部マンションで利用されている
という点です。
つまり、
ADSLとVDSLは、同じDSL技術を利用していても、使われ方が大きく違います。
ADSLからVDSLへ移行すればよいの?
現在ADSLを利用している人は、基本的には光回線などへの移行を検討したほうがよいでしょう。
そもそもADSLサービス自体が終了しています。
NTT東日本のフレッツ・ADSLも2025年1月31日に終了しています。
現在から新たにADSLを契約するという選択肢は現実的ではありません。
また、VDSLについても「ADSLが終わったからVDSLにすればいい」という単純な関係ではありません。
VDSLは主に集合住宅の建物内設備に関係する方式です。
マンションによっては光配線方式を利用できる場合もあります。
VDSLマンションなら光回線へ変更できる?
ここは非常に重要です。
VDSL方式のマンションに住んでいるからといって、必ずしもVDSLしか使えないとは限りません。
建物側が光配線方式に対応している場合は、光配線方式のサービスを利用できる可能性があります。
一方、VDSL設備しかないマンションでは、利用者個人の判断だけで光ファイバーを各部屋まで引き込むことは難しい場合があります。
その場合は、
- 管理会社へ相談
- 光配線方式が導入可能か確認
- 通信事業者へ提供可否を確認
- 必要なら建物側の工事を検討
という流れになります。
VDSLから光配線方式へ変更するメリット
VDSLから光配線方式へ変更できるのであれば、メリットは大きいでしょう。
高速通信に対応しやすい
光配線方式では、VDSLより高速な光回線サービスを利用できる可能性があります。
例えば1Gbpsクラスのサービスなら、100MbpsクラスのVDSLより最大通信速度に大きな差があります。
大容量通信に強い
動画、ゲーム、クラウド、ビデオ会議など、通信量の多いサービスを利用する家庭ほど光配線方式のメリットが大きくなります。
複数端末との相性がよい
現在の家庭では、スマートフォンだけでなく、
- テレビ
- パソコン
- タブレット
- ゲーム機
- スマートスピーカー
- スマート家電
など、多数の端末がインターネットへ接続します。
高速な光回線は、こうした複数端末の同時利用にも向いています。
それでもVDSLから変える必要がない人
一方で、VDSLを利用していても、必ず光配線方式へ変更しなければならないわけではありません。
例えば、
- Webサイトを見る程度
- SNS中心
- 動画はスマートフォンで見る
- 大容量ファイルを扱わない
- オンラインゲームをほとんどしない
- 家族の同時利用が少ない
という場合なら、VDSLでも十分満足できる可能性があります。
「光回線だから絶対に快適」「VDSLだから絶対に遅い」と決めつける必要はありません。
現在の利用状況を基準に判断しましょう。
VDSLの通信速度が遅いと感じたら確認すること
VDSLを利用していて通信速度に不満がある場合、いきなり回線変更を考える前に、次の項目を確認しましょう。
Wi-Fiルーターを確認する
古いWi-Fiルーターを利用していると、回線の性能を十分に発揮できないことがあります。
特にWi-Fi 4など古い規格を利用している場合は、ルーターの買い替えを検討してもよいでしょう。
2.4GHzと5GHzを確認する
Wi-Fiでは、2.4GHz帯と5GHz帯で特徴が異なります。
一般的には5GHz帯のほうが高速通信に向いていますが、壁などの障害物には弱くなります。
LANケーブルを確認する
有線接続でも、古いLANケーブルを利用していると高速通信に適さない場合があります。
ルーターを再起動する
一時的な不具合で速度が低下している可能性もあります。
時間帯を変えて測定する
夜間など、インターネット利用者が増える時間帯に速度が低下する場合があります。
朝・昼・夜など複数の時間帯で速度を確認すると原因を判断しやすくなります。
光回線を選ぶなら「光配線方式」を確認しよう
マンションで光回線を契約する場合、料金だけを見るのではなく、配線方式を確認することが重要です。
同じ「マンション向け光回線」でも、
- 光配線方式
- VDSL方式
- LAN配線方式
のいずれかになる場合があります。
NTT東日本も集合住宅ではこの3種類の配線方式を案内しています。
そのため、契約前に、
「このマンションは光配線方式ですか?」
と確認するのがおすすめです。
「1Gbpsの光回線」と書いてあっても注意
広告に「最大1Gbps」と書かれていても、自宅の建物内設備がVDSLなら、必ずしも部屋まで1Gbpsで通信できるとは限りません。
ここがマンションの光回線選びで非常に重要なポイントです。
例えば、
サービス自体は1Gbps
でも、
マンション内はVDSL方式で最大概ね100Mbps
ということがあります。
そのため、マンションの場合は、
サービスの最大速度+建物の配線方式
をセットで確認する必要があります。
戸建てとマンションで光回線の考え方は違う
戸建て住宅では、自宅まで光ファイバーを引き込む形が基本となるため、マンションほど「VDSLなのか光配線なのか」を気にする必要はありません。
一方、マンションでは建物全体の設備が関係します。
そのため、
「自分が光回線を契約すれば、必ず部屋まで光ファイバーが来る」
とは限りません。
建物側の設備を確認することが重要です。
光回線・ADSL・VDSLは「時代」の違いも大きい
3つの通信方式は、単純に性能だけでなく、登場した時代にも違いがあります。
ADSLが普及した時代は、現在ほど高速通信を必要とするサービスがありませんでした。
動画配信サービスも現在ほど一般的ではなく、スマートフォンの普及前でもありました。
その後、
- YouTube
- 動画配信
- SNS
- オンラインゲーム
- クラウド
- Web会議
- テレワーク
- 高画質動画
などが普及しました。
インターネットに求められる通信量は急速に増えています。
その結果、電話線を使うADSLよりも、光ファイバーを利用した通信が重要になりました。
今からADSLを選ぶのはおすすめできる?
結論として、現在からADSLを選ぶことはおすすめできません。
理由はシンプルです。
サービス終了が進んでおり、NTT東日本のフレッツ・ADSLはすでに2025年1月31日に終了しています。
現在インターネット回線を新しく契約するのであれば、
- 光回線
- ホームルーター
- モバイル回線
など、現在提供されているサービスから選ぶのが基本です。
特に自宅で動画やゲーム、仕事などをするなら、光回線は有力な選択肢になります。
今からVDSLを選ぶのはどう?
VDSLについては、ADSLとは事情が違います。
VDSLは「自分でVDSLを選んで契約する」というより、マンションの既存設備によってVDSL方式になるケースが多いからです。
そのため、
「VDSLだから契約してはいけない」
とは言えません。
住んでいるマンションがVDSL方式なら、まず実際の通信速度を確認しましょう。
速度に問題がなく、普段の利用にも満足しているのであれば、そのまま利用する選択肢もあります。
一方、
「夜になると遅い」
「大容量ファイルのアップロードが遅い」
「オンラインゲームで不満がある」
「家族全員で使うと速度が足りない」
という場合は、光配線方式への変更を検討する価値があります。
光回線・ADSL・VDSLのメリットとデメリットまとめ
ここまでの内容をまとめると、次のようになります。
光回線のメリット
- 高速通信に対応しやすい
- 大容量データに強い
- 動画視聴に向いている
- オンラインゲームにも向いている
- 複数端末の同時接続に向いている
- 現在の主流となっている
光回線のデメリット
- 開通工事が必要になる場合がある
- マンションでは建物設備の影響を受ける
- サービスによって料金が異なる
- 高速プランほど料金が高くなる場合がある
ADSLのメリット
- 既存の電話線を利用できた
- 光回線が普及する前は高速だった
- 電話とインターネットを共用できた
ADSLのデメリット
- 電話線の距離や品質の影響を受けやすい
- 光回線より低速
- 上り速度が低い
- 現在はサービス終了が進んでいる
VDSLのメリット
- マンションの既存電話配線を利用できる
- 建物内への光ファイバー工事を抑えられる場合がある
- 一般的なインターネット利用には十分な場合がある
VDSLのデメリット
- 光配線方式より高速化しにくい
- 電話線部分の影響を受ける
- 1Gbpsなどの高速サービスを十分に活用できない場合がある
- 光配線方式への変更に建物側の工事が必要になる場合がある
結局、どの回線がおすすめ?
現在の状況を考えると、基本的には光回線がおすすめです。
特に、
- 動画をよく見る
- オンラインゲームをする
- 在宅勤務をする
- 家族でインターネットを使う
- 複数の端末を同時に接続する
- 大容量ファイルを扱う
という人なら、光回線のメリットを感じやすいでしょう。
ただし、マンションの場合は「光回線」という名称だけで判断してはいけません。
光配線方式なのか、VDSL方式なのか
を確認しましょう。
光回線を選ぶときに確認したい5つのポイント
最後に、光回線を契約するときに確認したいポイントをまとめます。
1. 最大通信速度
1Gbpsなのか、10Gbpsなのかなどを確認します。
ただし最大速度は理論上の値であり、実際の通信速度とは異なる点に注意してください。
2. マンションの配線方式
特に集合住宅では重要です。
「光配線方式」「VDSL方式」「LAN配線方式」のどれなのか確認しましょう。
3. 月額料金
基本料金だけでなく、
- ルーター代
- オプション
- 工事費
- 解約費用
- 割引終了後の料金
なども確認しましょう。
4. スマートフォンとのセット割
光回線には、携帯電話会社と組み合わせることで料金が割引になるサービスがあります。
スマートフォンとインターネットを同じグループでまとめることで、通信費全体を抑えられる場合があります。
5. 実際の利用環境
契約する前に、
- 自宅の対応状況
- 建物の設備
- Wi-Fiルーター
- 利用端末
- 利用人数
なども確認しましょう。
まとめ:ADSLは終了、VDSLは一部マンションで残り、光回線が現在の主流
「光回線」「ADSL」「VDSL」は、いずれもインターネット通信に関係する言葉ですが、その仕組みは大きく異なります。
ADSLは、電話線を利用してインターネットへ接続する通信方式です。
2000年代には広く普及しましたが、光回線の普及や通信量の増加などによって役割を終えつつあり、日本ではサービス終了が進んでいます。NTT東日本のフレッツ・ADSLも2025年1月31日にサービス提供を終了しました。
一方、VDSLはADSLと同じDSL技術を利用していますが、マンションなどの集合住宅では、
建物まで光ファイバー
↓
建物内は既存の電話線
という形で利用されることがあります。
そのため、
「VDSL=光回線ではない」
とは限りません。
むしろ「光回線サービスのマンションタイプだが、建物内の配線方式がVDSL」というケースがあります。
現在のインターネット環境で最も重要なのは、単純に「光回線かどうか」だけではありません。
特にマンションでは、
光配線方式なのかVDSL方式なのか
を確認することが重要です。
光配線方式なら、各戸まで光ファイバーを利用できるため、高速な光回線サービスの性能を活かしやすくなります。
一方、VDSL方式でも一般的なWeb閲覧や動画視聴などには十分な場合があります。
したがって、VDSLだから必ず乗り換えるべきというわけではありません。
現在の通信速度や使い方に不満がなければ、そのまま利用する選択肢もあります。
しかし、家族で大量のデータを使う場合や、オンラインゲーム、動画配信、在宅勤務、大容量ファイルの送受信などを行う場合には、光配線方式の高速な光回線を検討する価値があります。
これからインターネット回線を選ぶ人は、
「光回線・ADSL・VDSLという名前だけを見る」のではなく、「どこまで光ファイバーが来ているのか」を確認する
ことが大切です。
特にマンションでは、契約前に「この建物は光配線方式ですか?VDSL方式ですか?」と確認するだけでも、契約後の「思ったより速度が出ない」というトラブルを防ぎやすくなります。
現在のインターネット環境では、動画、ゲーム、クラウド、Web会議など、高速通信を必要とするサービスが増えています。
そのため、今後新しくインターネット回線を契約するのであれば、基本的には光回線を第一候補として考えるのがおすすめです。
そして集合住宅の場合は、「光回線+光配線方式」なのか、「光回線+VDSL方式」なのかまで確認することが、快適なインターネット環境を選ぶための重要なポイントになります。