「折りたたみスマホは、普通のスマホよりもかなり高いのに、なぜメーカーは販売を続けているの?」
このように疑問に感じたことがある人も多いのではないでしょうか。
現在販売されている折りたたみスマホには、20万円を超える製品も珍しくありません。たとえばGoogleの「Google Pixel 10 Pro Fold」は日本で26万7,500円から、Samsungの「Galaxy Z Fold7」は26万5,750円で販売されていました。一般的なハイエンドスマートフォンと比較しても、かなり高価な価格帯です。
それでも、Samsung、Google、Motorolaなどのメーカーは折りたたみスマホを継続的に投入しています。
一見すると「こんなに高いスマホを誰が買うの?」と思ってしまいますが、折りたたみスマホには、普通のスマートフォンにはない明確な価値があります。
さらにメーカー側から見ると、折りたたみスマホは単なる「高いスマホ」ではありません。
高価格帯の商品を販売できること、新しい市場を開拓できること、メーカーの技術力をアピールできること、そしてスマートフォンそのものの使い方を変えられる可能性があることなど、さまざまな意味を持つ製品なのです。
今回は、
- なぜ折りたたみスマホは高いのか
- 高額なのになぜメーカーが販売するのか
- 消費者はなぜ折りたたみスマホを買うのか
- 普通のスマホにはないメリット
- 折りたたみスマホのデメリット
- メーカーにとってのメリット
- 今後価格は安くなるのか
- 折りたたみスマホは普及するのか
- どんな人におすすめなのか
について、初心者にも分かりやすく解説します。

折りたたみスマホは本当に「高すぎる」のか?
まず、折りたたみスマホが高価である理由を考えてみましょう。
一般的なスマートフォンは、1枚のディスプレイを本体に固定しています。
一方、折りたたみスマホでは、ディスプレイそのものを曲げたり、2枚の画面を開閉したりする構造が必要になります。
つまり、普通のスマホと同じ部品を使って、単純に「折れるようにした」だけではありません。
折りたたみスマホには、
- 柔軟性のあるディスプレイ
- 特殊なヒンジ
- 折り曲げに耐える内部部品
- 薄型化された基板
- 耐久性を考慮した筐体
- 折りたたみに対応したソフトウェア
- 大画面を活用するためのUI
など、通常のスマートフォンとは異なる技術が必要です。
そのため、製造コストも高くなりやすく、結果として販売価格も高くなります。
20万円を超えるモデルも存在する
2026年現在、日本で販売されている折りたたみスマホの代表例として、Google Pixel 10 Pro Foldがあります。
Google公式ストアでは256GBモデルが26万7,500円、512GBモデルが28万7,500円となっています。
また、Galaxy Z Foldシリーズも20万円を大きく超える価格帯の商品です。
この価格を見ると、
「普通のスマホを2台買えるのでは?」
と感じる人がいても不思議ではありません。
しかし、メーカーは「高いから売れない」と考えているわけではありません。
むしろ、折りたたみスマホは高価格でも購入するユーザーが存在することを前提にしたプレミアム商品として位置付けられています。
なぜ折りたたみスマホは販売され続けるのか?
では、本題です。
なぜ高価な折りたたみスマホをメーカーは販売するのでしょうか。
大きな理由として、次の7つが挙げられます。
- 高価格帯の商品として利益を確保しやすい
- 普通のスマホとの差別化ができる
- 新しい市場を開拓できる
- メーカーの技術力をアピールできる
- スマートフォンの買い替え需要を刺激できる
- 大画面スマホとして明確な価値がある
- 将来的な普及に向けた技術開発になる
順番に詳しく見ていきましょう。
1.高価格帯の商品として利益を確保しやすい
メーカーにとって大きな理由の一つが、高価格帯の商品を販売できることです。
スマートフォン市場では、低価格モデルからハイエンドモデルまで、さまざまな製品が販売されています。
しかし、スマートフォンは成熟した市場になっており、単純に「処理性能が少し上がりました」「カメラが少し良くなりました」というだけでは、ユーザーに買い替えてもらうことが難しくなっています。
そこで重要になるのが、製品そのものの付加価値です。
折りたたみスマホは、
「普通のスマホにはない機能を持っている」
という分かりやすい特徴があります。
そのため、通常のスマートフォンより高い価格を設定しやすいのです。
Counterpoint Researchも、折りたたみスマートフォンについて、メーカーが高採算のプレミアムモデルとして重視する傾向を指摘しています。2025年時点でも市場全体に占める割合は小さいものの、メーカーにとって重要なカテゴリーになりつつあります。
つまり、折りたたみスマホは「大量販売するための商品」というより、高付加価値商品として利益を生み出す役割も担っているわけです。
2.普通のスマホとの差別化ができる
スマートフォン市場では、メーカーごとの製品が非常によく似ています。
もちろん、
- カメラ性能
- CPU性能
- バッテリー
- ディスプレイ
- AI機能
- デザイン
などには違いがあります。
しかし、基本的な形状はほとんど同じです。
長方形の本体に大きなディスプレイが搭載されているというスタイルは、長年変わっていません。
そこで登場したのが折りたたみスマホです。
折りたたみスマホなら、
「スマートフォンを開くとタブレットのような大画面になる」
という、非常に分かりやすい差別化ができます。
これはメーカーにとって大きなメリットです。
たとえば店頭に、
「普通のスマホ」
と
「開くと大画面になるスマホ」
が並んでいた場合、折りたたみスマホのほうが目を引きやすいでしょう。
つまり折りたたみスマホは、単なる製品ではなく、メーカーのブランドを印象付けるショーケース的な役割も持っています。
3.新しい市場を開拓できる
メーカーが折りたたみスマホを販売するもう一つの理由が、新しい市場を作れる可能性です。
通常のスマートフォン市場は非常に成熟しています。
多くの人はすでにスマートフォンを持っています。
そのため、
「スマホを持っていない人に売る」
という市場には限界があります。
そこでメーカーは、
「今持っているスマホから、別のタイプのスマホに買い替えてもらう」
という需要を狙う必要があります。
折りたたみスマホは、この買い替え需要を刺激できます。
たとえば、
「今のスマホでも困っていないけれど、折りたたみスマホなら使ってみたい」
というユーザーが登場します。
これはメーカーにとって非常に重要です。
単なる性能アップではなく、新しい使い方を提案することで買い替えの理由を作れるからです。
4.メーカーの技術力をアピールできる
折りたたみスマホは、メーカーの技術力をアピールする商品でもあります。
特に重要なのが「ディスプレイ」と「ヒンジ」です。
通常のスマホなら、ディスプレイは基本的に曲げる必要がありません。
しかし折りたたみスマホでは、何度も開閉することになります。
そのため、
「何回折りたたんでも壊れないのか?」
という問題が発生します。
ここには、
- ディスプレイ技術
- ヒンジ技術
- 素材技術
- 放熱技術
- バッテリー技術
- ソフトウェア技術
など、さまざまな技術が関係しています。
Google Pixel 10 Pro Foldも、公式に「毎日折りたたんでも10年以上使い続けられる安心の耐久性」をアピールしています。
つまりメーカーは、折りたたみスマホを販売することで、
「これだけ複雑な製品を作れるメーカーです」
という技術力を示すことができます。
5.スマートフォン市場そのものを活性化できる
折りたたみスマホは、スマートフォン市場全体を刺激する効果も期待されています。
スマートフォン市場では、買い替えサイクルの長期化が大きな課題です。
以前は、
「新しいスマホが出たから買い替える」
という人も多くいました。
しかし現在では、数年前のスマートフォンでも十分に使えるケースが増えています。
CPU性能も高く、カメラも十分きれいで、通信速度も速くなっています。
その結果、
「まだ今のスマホでいい」
というユーザーが増えています。
そこで折りたたみスマホのような新しいフォームファクターが登場すると、
「今までと違うスマホを使ってみたい」
という新しい買い替え需要を生み出せます。
これはスマートフォンメーカーにとって非常に重要な意味を持ちます。
6.大画面スマホとして明確な価値がある
折りたたみスマホの価格が高くても、それを購入する理由として大きいのが「大画面」です。
特にブック型と呼ばれるタイプは、閉じた状態では普通のスマートフォンに近い形ですが、開くとタブレットに近い大画面になります。
Google Pixel 10 Pro Foldは、外側に6.4インチ、内側に8インチのディスプレイを搭載しています。
これは普通のスマートフォンにはない特徴です。
たとえば、
- 電子書籍
- Webサイト
- 動画
- 写真
- 地図
- 表計算
- 文書作成
- メール
- マルチタスク
などでは、大画面が大きなメリットになります。
特に仕事でスマートフォンを使う人にとっては、
「スマホとタブレットを1台にまとめたい」
という需要があります。
この用途では、折りたたみスマホの価格が高くても、購入する価値を感じる人が出てきます。
折りたたみスマホには「2台分」の価値がある?
折りたたみスマホを考えるうえで面白いのが、
「スマートフォンと小型タブレットを1台にまとめる」
という考え方です。
もちろん、折りたたみスマホが本当にスマートフォンとタブレットを完全に代替できるわけではありません。
しかし、
「普段はスマートフォンとして使う」
↓
「必要なときだけ開く」
↓
「大画面で作業する」
という使い方ができます。
例えば、外出中にタブレットを持ち歩くのが面倒な人なら、折りたたみスマホが便利です。
バッグからタブレットを取り出す必要がなく、スマートフォンを開くだけで大画面を利用できます。
この「1台2役」という価値が、折りたたみスマホの価格を支える一つの理由です。

折りたたみスマホは「高いから売れない」わけではない
ここで重要なのは、
価格が高いことと、売れないことは同じではない
という点です。
自動車でも、高級車は一般的な車より高価です。
パソコンでも、ハイエンドモデルは10万円、20万円、それ以上することがあります。
カメラも、プロ向けモデルになると非常に高価です。
それでも市場は存在します。
折りたたみスマホも同じです。
すべての人を対象にした商品ではなく、
「価格よりも機能を重視する人」
「新しいものが好きな人」
「大画面を必要とする人」
「仕事でスマートフォンを活用する人」
などに向けた商品なのです。
つまり、
折りたたみスマホは万人向けの商品ではないからこそ、高価格でも成立する
と考えることができます。
折りたたみスマホ市場は本当に成長している?
では、実際に折りたたみスマホは市場で成長しているのでしょうか。
Counterpoint Researchによると、2025年第3四半期の世界の折りたたみスマートフォン出荷量は前年同期比14%増となり、同カテゴリーとして過去最高の四半期出荷量を記録しました。
同四半期のスマートフォン市場全体に占める折りたたみスマホの出荷シェアは2.5%でした。
つまり、まだスマートフォン市場全体から見れば小さな市場です。
しかし、決して「誰も買っていない商品」ではありません。
さらにCounterpoint Researchは、2026年の世界の折りたたみスマートフォン出荷が前年比20%成長すると予測しています。
この数字からも、メーカーが折りたたみスマホを継続して投入する理由が分かります。
2026年は折りたたみスマホにとって重要な年
2026年は、折りたたみスマホ市場にとって特に重要な年になると考えられています。
Counterpoint Researchは、2026年にブック型折りたたみスマホの比率が世界の折りたたみスマホ出荷の約65%に達すると予測しています。
2025年は52%だったため、ブック型の存在感が大きく高まる見通しです。
これは非常に興味深い変化です。
従来の折りたたみスマホは、
「珍しいスマホ」
「未来的なスマホ」
というイメージが強くありました。
しかし今後は、
「大画面を持ち歩ける生産性の高いスマホ」
という方向へ進む可能性があります。
つまり、折りたたみスマホが「面白いガジェット」から「実用的な高級スマートフォン」へ変化しているのです。
なぜ「ブック型」が注目されているのか?
折りたたみスマホには、大きく分けて2種類あります。
ブック型
本のように横方向へ開くタイプです。
閉じると普通のスマートフォンに近い形ですが、開くと大画面になります。
代表的な用途は、
- マルチタスク
- 動画
- 電子書籍
- 文書編集
- Web閲覧
- 写真編集
などです。
クラムシェル型
ガラケーのように縦方向へ折りたたむタイプです。
閉じることでコンパクトになります。
こちらは、
「ポケットに入れやすい」
「デザイン性が高い」
「小型化できる」
といったメリットがあります。
一方、ブック型は「大画面」という明確な機能価値があります。
そのため、2026年はブック型の重要性が高まると予測されています。
高いのに買う人は、何を評価しているのか?
折りたたみスマホを購入するユーザーが評価しているポイントを整理すると、主に次のようになります。
大画面を持ち歩ける
最大のメリットです。
タブレットほど大きな端末を持ち歩かなくても、大画面を利用できます。
マルチタスクがしやすい
2つのアプリを同時に表示するなど、大画面を活用した操作ができます。
たとえば、
左側でWebページを確認しながら、右側でメモを取る。
地図を表示しながら、別のアプリで店舗情報を確認する。
メールを確認しながら、資料を閲覧する。
といった使い方ができます。
動画や電子書籍が見やすい
大画面なので、動画や漫画、電子書籍との相性も良いでしょう。
普段は普通のスマホとして使える
必要なときだけ開けばいいというのもポイントです。
常にタブレットを持ち歩く必要がありません。
新しい体験ができる
折りたたみスマホそのものが、新しいデバイス体験になります。
「普通のスマホでは物足りない」
というユーザーには魅力的です。
それでも折りたたみスマホには大きなデメリットがある
ここまでメリットを紹介してきましたが、もちろん問題もあります。
むしろ、折りたたみスマホがまだ一般的なスマートフォンほど普及していない最大の理由は、ここにあります。
主なデメリットは、
- 価格が高い
- 重くなりやすい
- 厚くなりやすい
- ヒンジがある
- ディスプレイに折り目がある
- 修理費用が高くなる可能性
- ケース選びが難しい
- 耐久性への不安がある
- バッテリー容量や構造に制約がある
などです。
デメリット1:とにかく価格が高い
最大の問題です。
20万円以上するスマートフォンは、一般ユーザーにとって気軽に購入できる価格ではありません。
特に、
「電話」
「LINE」
「Web閲覧」
「SNS」
「動画視聴」
程度しかスマートフォンを使わない人なら、折りたたみスマホの性能を十分に活用できない可能性があります。
その場合、
「20万円以上払う意味があるのか?」
という疑問が出てきます。
デメリット2:普通のスマホより重くなりやすい
折りたたみスマホは、通常のスマートフォンより構造が複雑です。
ディスプレイやヒンジなどの部品が必要になるため、重量が増えやすくなります。
例えばPixel 10 Pro Foldは258gです。
スマートフォンとして考えると、かなり重量感があります。
毎日片手で長時間操作する場合には、普通のスマートフォンのほうが快適なこともあります。
デメリット3:厚くなりやすい
折りたたむ構造上、厚さも問題になります。
通常のスマートフォンなら1枚の筐体に部品を配置できます。
しかし折りたたみスマホでは、左右または上下に本体が分かれます。
そのため、閉じた状態では厚くなりやすいのです。
Pixel 10 Pro Foldは折りたたんだ状態で厚さ10.8mm、開いた状態では5.2mmです。
技術の進歩によって薄型化は進んでいますが、まだ普通のスマートフォンと同じ感覚にはなっていません。
デメリット4:ヒンジが故障する可能性
折りたたみスマホ最大の特徴であり、同時に最大の弱点とも言えるのがヒンジです。
普通のスマホには、基本的に可動するヒンジがありません。
しかし折りたたみスマホは毎日、
「開く」
「閉じる」
を繰り返します。
そのため、メーカーには非常に高い耐久性が求められます。
現在の折りたたみスマホは初期世代と比べて大幅に改善されていますが、構造が複雑である以上、通常のスマートフォンとは異なる故障リスクを考える必要があります。
デメリット5:ディスプレイの折り目が気になる
折りたたみスマホを実際に触ったとき、気になる人が多いのがディスプレイ中央の折り目です。
最新モデルでは折り目を目立ちにくくする技術が進んでいます。
しかし、
「完全に平らなディスプレイ」
とは異なる製品も多くあります。
人によっては、
「動画を見ているときに気になる」
「指で触ると段差を感じる」
ということがあります。
この点は、通常のスマートフォンにはないデメリットです。
デメリット6:修理費用が高くなる可能性
折りたたみスマホは高価な部品を使っているため、故障したときの修理費用も気になるところです。
特に、
- 内側ディスプレイ
- ヒンジ
- フレーム
などが故障した場合、一般的なスマートフォンより修理が複雑になる可能性があります。
そのため、折りたたみスマホを購入するときは、本体価格だけで判断するのではなく、
保証サービスや修理サポートまで含めて考える
ことが重要です。
では、なぜメーカーはデメリットを分かっていて販売するのか?
ここまで読むと、
「そんなにデメリットがあるなら、メーカーも普通のスマホだけ作ればいいのでは?」
と思うかもしれません。
しかし、それでもメーカーが折りたたみスマホを作るのには理由があります。
それは、
スマートフォン市場の次の成長分野になる可能性があるから
です。
現在はまだニッチな市場でも、将来的に価格が下がり、耐久性が向上すれば、一般ユーザーにも広がる可能性があります。
そのためメーカーは、今の段階から技術を蓄積しているのです。
折りたたみスマホは「技術の実験場」でもある
折りたたみスマホには、普通のスマートフォンでは必要にならない技術が大量に使われています。
例えば、
- 曲げられるディスプレイ
- 小型化されたヒンジ
- 薄型バッテリー
- フレキシブル基板
- 高耐久素材
- 折りたたみに対応したソフトウェア
- 大画面UI
などです。
これらの技術が成熟すれば、将来的には別の製品にも応用できる可能性があります。
つまり折りたたみスマホは、
メーカーにとって技術開発への投資という側面も持っている
のです。
折りたたみスマホの価格は今後安くなる?
多くの人が気になるのが、この点でしょう。
結論から言えば、
長期的には価格が下がる可能性があります。
理由はシンプルです。
製造技術が成熟すれば、
- 部品コストが下がる
- 生産効率が上がる
- 部品メーカーが増える
- 競争が激しくなる
- 製造工程が改善する
といったことが期待できるからです。
ただし、すぐに10万円程度まで下がるとは限りません。
なぜなら、メーカー側が折りたたみスマホをプレミアム商品として位置付け続ける可能性もあるからです。
Counterpoint Researchは、2026年に折りたたみ市場が成長すると予測する一方、メーカー各社が高付加価値モデルを重視する傾向も示しています。
そのため、
「普及するから必ず安くなる」
とは限りません。
価格が安くなるより先に「価値が高くなる」可能性もある
折りたたみスマホを考えるうえで重要なのが、
単純な値下げだけが普及の条件ではない
ということです。
例えば20万円のスマホでも、
「スマートフォンとタブレットの両方を買う必要がなくなる」
のであれば、ユーザーによっては価値を感じます。
さらに、
- AI
- マルチタスク
- 大画面編集
- 動画編集
- 電子書籍
- PC連携
などの機能が進化すれば、
「高いけれど、それだけの価値がある」
という商品になっていく可能性があります。
今後は「安くする」だけでなく、
価格に見合う体験を提供できるか
が重要になるでしょう。
折りたたみスマホはタブレット市場にも影響する?
折りたたみスマホが普及すると、タブレットとの関係も変化する可能性があります。
例えば、
「スマホは持っているけれど、動画を見るためにタブレットも持っている」
という人がいます。
しかし折りたたみスマホなら、
普段はスマートフォンとして使用し、
必要なときだけ大画面にする
という使い方ができます。
もちろん、本格的なタブレットの代わりにはならない場合もあります。
それでも、
スマートフォンとタブレットの中間に位置する製品
として考えることができます。
このポジションが、折りたたみスマホの大きな可能性です。
折りたたみスマホは「スマホの次」の存在なのか?
少し大きな視点で考えてみましょう。
スマートフォンは長い間、
「画面を大きくする」
方向へ進化してきました。
しかし、本体を大きくすると持ち歩きにくくなります。
そこでメーカーは、
「持ち歩くときは小さく、使うときは大きく」
という発想を採用しました。
これが折りたたみスマホです。
つまり折りたたみスマホは、
「画面を大きくしたい」
という要求と、
「本体は小さくしておきたい」
という要求を両立するための技術とも言えます。
この考え方自体は非常に合理的です。
なぜ今まで普通のスマホしかなかったのか?
ここで疑問になるのが、
「そんなに便利なら、なぜもっと早く登場しなかったの?」
ということです。
理由は、技術的に難しかったからです。
ディスプレイは基本的に「曲げない」ことを前提に発展してきました。
しかし折りたたみスマホでは、ディスプレイを繰り返し曲げる必要があります。
さらに、
「折りたたんでも壊れない」
「開いたときにきれいに表示する」
「ヒンジ部分を薄くする」
「内部部品を邪魔しないように配置する」
といった複数の問題を解決する必要があります。
そのため、折りたたみスマホは長年「技術的には面白いが、製品化が難しい分野」でした。
現在はようやく、一般消費者が購入できるレベルまで技術が成熟してきたのです。
折りたたみスマホは「高いからこそ意味がある」
少し逆説的ですが、折りたたみスマホは高価格帯だからこそ開発できる部分もあります。
新しい技術を大量生産して安く提供するには、まず技術開発が必要です。
そのため、
- 高価格なプレミアム製品として販売する
- 一部のユーザーが購入する
- 市場からフィードバックを得る
- 技術を改善する
- 生産量を増やす
- 部品コストを下げる
- より安価なモデルを投入する
という流れが考えられます。
これは新しい技術が普及していくときによく見られるパターンです。
つまり現在の高価格は、
折りたたみスマホがまだ「普及期の入口」にあることの裏返し
とも考えられます。
今後は「安い折りたたみスマホ」も増える?
可能性は十分あります。
特にクラムシェル型では、比較的価格を抑えた製品が登場することで、折りたたみスマホを初めて購入するユーザーを増やせる可能性があります。
実際、Counterpoint Researchは北米市場で、Motorolaの比較的手頃な価格設定やキャリアでの販売力が、折りたたみ市場の拡大に貢献したと分析しています。
これは非常に重要なポイントです。
折りたたみスマホを普及させるには、
「高級モデルだけ」
では限界があります。
将来的には、
- 20万円以上のハイエンドモデル
- 15万円前後のモデル
- 10万円台前半のモデル
など、価格帯が広がっていく可能性があります。
折りたたみスマホは誰におすすめ?
ここまでの内容を踏まえると、折りたたみスマホがおすすめなのは次のような人です。
大画面を重視する人
動画や電子書籍、Webサイトなどを大画面で楽しみたい人には向いています。
スマホで仕事をする人
メール、資料確認、Web閲覧、マルチタスクなどを頻繁に行う人には、折りたたみスマホの価値があります。
タブレットを持ち歩きたくない人
「タブレットは便利だけど、持ち歩くのが面倒」という人にも向いています。
新しいデバイスが好きな人
新しい技術を試すことが好きなら、折りたたみスマホは非常に面白い製品です。
スマートフォンを長期間使う人
高価ではありますが、長期間使う前提なら、最新の技術や大画面を長く利用できます。
逆に、折りたたみスマホをおすすめしにくい人
一方、次のような人には普通のスマートフォンのほうが向いているでしょう。
スマホで基本的なことしかしない人
電話、LINE、SNS、Web閲覧程度なら、折りたたみスマホの大画面を十分に活用できない可能性があります。
軽さを重視する人
折りたたみスマホは重量が大きくなりやすいため、軽量スマホのほうが快適です。
本体価格を抑えたい人
20万円以上の予算を出す必要があるモデルもあるため、コスト重視なら通常のスマホがおすすめです。
落下や故障が心配な人
高価な部品が使われているため、万が一の故障を考えると保証サービスへの加入も検討したほうがよいでしょう。
折りたたみスマホは「必要な人には安い」商品でもある
ここが、折りたたみスマホを理解するうえで重要なポイントです。
20万円以上するスマートフォンを見ると、
「高すぎる」
と感じるのは当然です。
しかし、
「大画面スマホが必要」
「タブレットも持っている」
「仕事で大画面を使う」
「スマホで資料を確認する」
という人にとっては、単純に「高い」とは言い切れません。
例えば、スマートフォンとタブレットを別々に持つ代わりに、折りたたみスマホ1台にまとめるという考え方もできます。
もちろん、価格だけで見れば普通のスマホ+タブレットのほうが安いケースもあります。
重要なのは、
自分が折りたたみスマホの機能をどれだけ使うか
です。
メーカーが本当に狙っているのは「未来」
折りたたみスマホを販売する最大の理由を一言で表すなら、
「現在の利益だけではなく、スマートフォンの未来を作るため」
とも言えるでしょう。
メーカーにとって、通常のスマートフォン市場だけに依存するのはリスクがあります。
デザインが似ていて、性能差が小さくなれば、価格競争が激しくなるからです。
そこで、
「折りたたむ」
という新しい価値を投入します。
さらに、
- 大画面
- マルチタスク
- AI
- 生産性
- PC連携
などと組み合わせることで、新しいスマートフォン体験を作ろうとしています。
Counterpoint Researchも、2026年の折りたたみスマホ市場では、単なるフォームファクターの新規性から、より明確な機能価値や生産性を重視した方向へ購入判断が移っていると分析しています。
これは折りたたみスマホの今後を考えるうえで非常に重要なポイントです。
2026年以降、折りたたみスマホはどうなる?
今後は大きく3つの方向へ進む可能性があります。
1.さらに薄く、軽くなる
折りたたみスマホの弱点である、
- 厚さ
- 重さ
- 折り目
などが改善されるでしょう。
実際、最新モデルでは薄型化や軽量化が大きなセールスポイントになっています。
2.ソフトウェアが進化する
折りたたみスマホでは、ハードウェアだけでなくソフトウェアも重要です。
大画面を使って、
- 複数アプリを表示する
- AIを利用する
- ドラッグ&ドロップする
- PCのように作業する
といった機能が増えれば、折りたたむ意味がさらに大きくなります。
3.価格帯が広がる
高級モデルだけでなく、より安いモデルが登場すれば、ユーザー層が広がります。
その結果、
「折りたたみスマホは珍しいもの」
から、
「スマートフォンの選択肢の一つ」
へ変わる可能性があります。
折りたたみスマホは普及するのか?
では、最終的に折りたたみスマホは普通のスマートフォンのように普及するのでしょうか。
現時点では断定できません。
2025年時点でも折りたたみスマホはスマートフォン市場全体のごく一部であり、まだニッチなカテゴリーです。Counterpoint Researchも、2025年の世界市場における折りたたみスマホのシェアは1.6%程度としています。
しかし、2026年には20%成長が予測され、ブック型の比率も高まると見られています。
つまり、
「すでに大衆化している」とは言えないものの、「将来的な普及が期待されているカテゴリー」
というのが現在の位置付けでしょう。
折りたたみスマホが普及するために必要なこと
今後さらに普及するためには、いくつかの条件があります。
価格の低下
最も重要です。
10万円台前半など、より購入しやすい価格帯が増えれば普及しやすくなります。
耐久性の向上
「壊れやすそう」というイメージを払拭する必要があります。
軽量化
普通のスマホと同じように持ち歩ける重さになることが重要です。
折り目の改善
ディスプレイを開いたときに、より自然な見た目になることが求められます。
専用アプリの増加
大画面を活用できるアプリが増えれば、折りたたみスマホを選ぶ理由が増えます。
AIとの連携
AIによって大画面の価値をさらに高められる可能性があります。
「高いのになぜ販売される?」への答え
ここまでの内容をまとめると、答えは非常にシンプルです。
折りたたみスマホは、高いから売れない商品ではなく、高くても購入する理由がある人に向けた商品だからです。
メーカーにとっては、
- 高価格帯商品の利益
- ブランド力の向上
- 技術力のアピール
- 新しい市場の開拓
- 買い替え需要の創出
- 次世代技術への投資
というメリットがあります。
消費者にとっては、
- 大画面
- コンパクトな収納性
- マルチタスク
- タブレット代わり
- 新しい操作体験
- 高い所有満足度
などのメリットがあります。
つまり、
「高いけれど、それだけの価値を感じる人がいる」
からこそ、折りたたみスマホは販売され続けているのです。
まとめ:折りたたみスマホは「高いスマホ」ではなく「新しい価値を売るスマホ」
折りたたみスマホの価格を見ると、
「普通のスマホより高すぎる」
と感じるのは当然です。
実際、Google Pixel 10 Pro Foldの日本価格は26万7,500円からとなっており、一般的なスマートフォンと比較すれば非常に高価です。
しかし、メーカーが折りたたみスマホを販売する理由は明確です。
折りたたみスマホには、普通のスマートフォンにはない「大画面と携帯性の両立」という価値があります。
さらにメーカー側には、高価格帯商品の販売、新技術のアピール、新市場の開拓、スマートフォン市場の活性化などのメリットがあります。
そして市場そのものも成長しています。
Counterpoint Researchによれば、2025年第3四半期には折りたたみスマートフォンの世界出荷量が前年同期比14%増となり、過去最高の四半期出荷量を記録しました。
さらに2026年の世界出荷は前年比20%成長すると予測されています。
一方で、現時点では価格、重量、厚さ、耐久性、修理費用などの問題が残されています。
そのため、折りたたみスマホはまだ「誰にでもおすすめできるスマートフォン」ではありません。
しかし、
「大画面を使いたい」
「タブレットを持ち歩きたくない」
「スマホで仕事をしたい」
「マルチタスクを重視したい」
「新しいデバイスを試したい」
という人にとっては、価格以上の価値を感じられる可能性があります。
今後、折りたたみスマホがさらに薄く、軽く、丈夫になり、価格も下がっていけば、現在の「高級スマホ」という位置付けから、一般的なスマートフォンの選択肢へと変化する可能性があります。
つまり折りたたみスマホは、
「高いのになぜ売っているのか分からない商品」ではなく、「スマートフォンの次の形を作るために、メーカーが先行して開発・販売している商品」
と考えると分かりやすいでしょう。
2026年以降は、単に「折りたためる」という珍しさではなく、大画面をどのように仕事や日常生活で活用できるのかが、折りたたみスマホの価値を左右する時代になっていきそうです。