インターネットや社内ネットワークを利用する際、「有線LAN」と「無線LAN(Wi-Fi)」という言葉をよく耳にします。しかし、両者の違いや、それぞれのメリット・デメリットを正確に理解している人は意外と少ないのが現実です。
今回は、有線LANと無線LANの仕組み、速度、安定性、セキュリティ、用途の違いまでを徹底的に解説します。これからネット環境を構築する人、回線が遅くて困っている人、ゲーミングや在宅ワークの最適な接続方法を知りたい人にとって必読の内容です。

1. LANとは何か?基本概念を理解しよう
1-1. LANの意味
LANとは「Local Area Network(ローカルエリアネットワーク)」の略で、家庭やオフィスなど限られた範囲で構築されるネットワークのことです。
インターネット回線(光回線やモバイル回線)とは異なり、内部ネットワークの接続方式を指します。
LANには大きく分けて以下の2種類があります。
- 有線LAN(Ethernet)
- 無線LAN(Wi-Fi)
2. 有線LANとは何か?
2-1. 有線LANの仕組み
有線LANは、LANケーブル(Ethernetケーブル)を使って機器同士を物理的に接続する方式です。
主に以下の機器が使われます。
- ルーター
- スイッチングハブ
- LANケーブル(カテゴリ5e、6、6Aなど)
パソコンやゲーム機、NASなどをケーブルで直接つなぐことで通信を行います。
2-2. 有線LANの通信規格
有線LANの速度は「Ethernet規格」によって決まります。
| 規格 | 最大速度 |
|---|---|
| 100BASE-TX | 100Mbps |
| 1000BASE-T | 1Gbps |
| 2.5GBASE-T | 2.5Gbps |
| 10GBASE-T | 10Gbps |
近年は2.5Gbpsや10Gbps対応機器も普及し、高速化が進んでいます。
3. 無線LAN(Wi-Fi)とは何か?
3-1. 無線LANの仕組み
無線LANは電波を使って通信する方式で、一般的には「Wi-Fi」と呼ばれます。
ルーターから電波を飛ばし、スマホやパソコン、家電などが接続します。
3-2. 無線LANの通信規格
Wi-Fiには規格(IEEE 802.11)があり、世代ごとに速度と性能が進化しています。
| Wi-Fi規格 | 通称 | 最大理論速度 |
|---|---|---|
| 802.11n | Wi-Fi 4 | 約600Mbps |
| 802.11ac | Wi-Fi 5 | 約6.9Gbps |
| 802.11ax | Wi-Fi 6 | 約9.6Gbps |
| 802.11be | Wi-Fi 7 | 40Gbps以上 |
ただし、理論値であり実測値は大幅に低下します。
4. 有線LANと無線LANの決定的な違い
4-1. 速度の違い
有線LAN
- 常に安定した高速通信が可能
- 1Gbps以上の実効速度が出やすい
無線LAN
- 環境によって速度が大きく変動
- 壁・家具・電波干渉で低下
👉 純粋な速度は有線LANが圧倒的に有利
4-2. 安定性の違い
有線LAN
- ノイズや干渉の影響をほぼ受けない
- パケットロスが少ない
無線LAN
- 電波干渉(電子レンジ・Bluetooth・隣家Wi-Fi)
- 距離や障害物で不安定
👉 安定性は有線LANが圧勝
4-3. 遅延(レイテンシ)の違い
遅延はオンラインゲームやビデオ会議で重要です。
- 有線LAN:1〜2ms程度(非常に低遅延)
- 無線LAN:5〜30ms以上(環境次第)
👉 FPS・格闘ゲームは有線必須
4-4. セキュリティの違い
有線LAN
- 物理的にケーブル接続が必要
- 不正侵入の難易度が高い
無線LAN
- 電波は外部にも漏れる
- 暗号化が必須(WPA3推奨)
👉 セキュリティ面でも有線LANが有利
4-5. 利便性の違い
有線LAN
- ケーブル配線が必要
- 移動できない
無線LAN
- 配線不要
- スマホ・タブレット向き
- 家中どこでも接続可能
👉 利便性は無線LANが圧倒的に便利
5. 有線LANのメリットとデメリット
5-1. 有線LANのメリット
- 通信速度が速い
- 安定性が非常に高い
- 遅延が少ない
- セキュリティが強い
- 10Gbps以上の超高速通信が可能
5-2. 有線LANのデメリット
- ケーブル配線が必要
- 部屋の美観を損なう
- ノートPCやスマホでは不便
- ポート不足の問題(ハブが必要)
6. 無線LANのメリットとデメリット
6-1. 無線LANのメリット
- 配線不要
- 家中どこでも使える
- スマホ・IoT機器に必須
- 引っ越しやレイアウト変更が簡単
6-2. 無線LANのデメリット
- 速度が不安定
- 遅延が大きい
- セキュリティリスク
- 電波干渉の影響
- 距離で速度低下
7. 用途別おすすめ接続方式
7-1. ゲーミング用途
有線LAN一択
理由:
- 低遅延
- 安定したping
- ラグ防止
7-2. 在宅ワーク・動画会議
- デスクトップPC:有線LAN推奨
- ノートPC:無線LANでも可(可能なら有線)
7-3. スマホ・タブレット・IoT家電
無線LAN必須
スマート家電やスマホは有線接続が現実的ではありません。
7-4. NAS・サーバー・大容量転送
必ず有線LAN
10GbEを使うとクラウド並みの速度になります。
8. 有線LANと無線LANは併用が最強
現実的には、どちらか一方だけを使うのではなく、
- 固定機器:有線
- モバイル機器:無線
という併用がベストです。
9. 次世代技術の動向
9-1. Wi-Fi 7の登場
Wi-Fi 7は理論上40Gbps以上の速度を実現しますが、
- 実測は数Gbps程度
- 依然として有線10GbEの方が安定
9-2. 10GbE有線LANの普及
家庭向け10Gbps光回線の普及により、有線LANの高速化需要も増えています。
10. よくある誤解
誤解1:無線LANは有線LANより速い?
👉 理論値では速くても、実測は有線に勝てません。
誤解2:有線LANは古い技術?
👉 むしろ最新の10GbE・25GbEなど進化し続けています。
誤解3:無線LANはセキュリティが弱いから使えない?
👉 WPA3などの暗号化で安全性は大幅に向上しています。
まとめ:有線LANと無線LANの本質的な違い
| 項目 | 有線LAN | 無線LAN |
|---|---|---|
| 速度 | ◎ | △ |
| 安定性 | ◎ | △ |
| 遅延 | ◎ | △ |
| セキュリティ | ◎ | △ |
| 利便性 | △ | ◎ |
| 移動性 | × | ◎ |
結論
- 最高の速度・安定性・低遅延を求めるなら有線LAN
- 利便性・自由な移動を求めるなら無線LAN
- 現代の最適解は両者のハイブリッド運用