携帯電話料金の明細をじっくり見たことはありますか?
月額料金や通話料、データ通信料のほかに、「ユニバーサルサービス料」「ユニバーサル料」と書かれた項目を見て、**「これは何の料金?」「勝手に取られているのでは?」**と疑問に思った方も多いでしょう。
結論から言うと、ユニバーサル料は日本の通信インフラを支えるために、携帯電話や固定電話の利用者全員が少しずつ負担している料金です。
今回は、ユニバーサル料の基本から、なぜ必要なのか、誰がいくら払っているのか、今後どうなるのかまで、わかりやすく解説します。

ユニバーサルサービスとは何か?
ユニバーサルサービスの意味
ユニバーサル料を理解するためには、まず「ユニバーサルサービス」という考え方を知る必要があります。
ユニバーサルサービスとは、
全国どこでも、誰でも、適正な料金で、最低限の通信サービスを利用できるようにする仕組み
のことです。
これは日本だけでなく、世界中の多くの国で採用されている考え方で、通信や電気、水道、郵便など、生活に欠かせないインフラで重視されています。
なぜユニバーサルサービスが必要なのか?
通信事業は、人口が多く都市部であればあるほど、効率よく利益を出せます。
一方で、次のような地域ではコストが高くなります。
- 山間部・離島
- 人口が極端に少ない地域
- 高齢者が多く、利用頻度が低い地域
これらの場所では、通信設備の設置・維持に多額の費用がかかるため、民間企業だけに任せるとサービスが提供されなくなる可能性があります。
そこで国は、
- 利益が出にくい地域でも
- 最低限の通信手段(固定電話など)を
- 全国一律で維持する
ために、ユニバーサルサービス制度を作りました。
ユニバーサル料の正体
ユニバーサル料とは?
ユニバーサル料(正式名称:ユニバーサルサービス料)とは、
ユニバーサルサービスを維持するための費用を、通信利用者全体で負担するお金
です。
携帯電話会社や固定電話会社が勝手に設定している料金ではなく、国(総務省)が定めた制度に基づいて徴収されています。
どんなサービスのために使われている?
現在、日本のユニバーサルサービスの対象は主に以下です。
- 固定電話(加入電話)
- 公衆電話
- 緊急通報(110・119)への接続
特に重要なのが、災害時や緊急時でも必ず使える通信手段の確保です。
スマートフォンやインターネットが普及した現代でも、
- 停電時
- 災害時
- 高齢者の利用
といった場面では、固定電話や公衆電話が重要な役割を果たしています。
なぜ携帯電話ユーザーも払うの?
固定電話を使っていなくても払う理由
「自分は固定電話を使っていないのに、なぜ払うの?」
これは非常によくある疑問です。
理由はシンプルで、
通信ネットワーク全体の恩恵を受けているから
です。
- 緊急通報は携帯電話からでも使える
- 災害時には固定電話網がバックアップになる
- 公衆電話は誰でも使える社会インフラ
これらは、固定電話を契約していなくても、社会全体として支え合うべきものと考えられています。
社会保険に近い仕組み
ユニバーサル料は、よく「税金みたい」と言われますが、考え方としては社会保険に近いです。
- 使う人だけが負担するのではない
- みんなで少しずつ支える
- いざという時に全員が恩恵を受ける
という性質を持っています。
ユニバーサル料はいくら?
月額はいくらかかる?
ユニバーサル料は、1回線あたり月数円程度です。
時期によって変動しますが、近年は概ね以下の水準です。
- 月2〜3円程度/回線
スマートフォン1台なら、ほとんど気にならない金額ですが、日本全国の利用者から集めることで、大きな支えになります。
なぜ金額が変わるの?
ユニバーサル料は固定ではなく、毎年見直されています。
変動する理由は、
- 対象サービスの維持費の増減
- 固定電話契約数の減少
- 公衆電話の設置・維持コスト
などが影響するためです。
特に近年は、固定電話の契約数が減っているため、1回線あたりの負担額が微増する傾向にあります。
ユニバーサル料を徴収しているのは誰?
携帯会社が取っているわけではない
誤解されがちですが、ユニバーサル料は、
- ドコモ
- au
- ソフトバンク
- 楽天モバイル
- MVNO(格安SIM)
などの携帯会社が自由に取っている料金ではありません。
携帯会社はあくまで、
- 利用者からユニバーサル料を預かる
- 国の制度に基づいて拠出する
という「窓口」の役割をしています。
実際の運営主体
ユニバーサルサービス制度は、総務省の管理のもと、
「電気通信事業者ユニバーサルサービス支援機関」という仕組みで運営されています。
各通信事業者が拠出したお金は、主にNTT東日本・西日本が行うユニバーサルサービスの赤字補填に使われます。
ユニバーサル料と混同されやすい料金
電話リレーサービス料との違い
近年、ユニバーサル料と一緒に表示されることが多いのが、電話リレーサービス料です。
これは、
- 聴覚や発話に困難のある人
- 音声電話を使えない人
のために、オペレーターやシステムが通話を仲介するサービスを支える料金です。
ユニバーサル料とは別制度なので、混同しないよう注意が必要です。
ユニバーサル料は今後どうなる?
廃止される可能性はある?
結論から言うと、当面は廃止される可能性は低いです。
理由として、
- 災害大国・日本において通信インフラは生命線
- 高齢化社会で固定電話の役割は依然として大きい
- 緊急通報の確実性が求められている
といった点が挙げられます。
将来的な見直しの可能性
ただし、対象サービスの見直しは議論されています。
- 固定電話中心の制度をどうするか
- IP電話やスマホ中心の時代に合う形への移行
- 公衆電話の役割の再定義
など、制度自体が進化する可能性は十分にあります。
ユニバーサル料に対するよくある疑問
Q. 払わないことはできる?
A. できません。
回線契約をしている限り、原則として全員が対象です。
Q. 格安SIMでも取られる?
A. 取られます。
MVNOであっても、音声通話回線を使っていれば対象です。
Q. データ通信専用SIMは?
A. 音声通話ができないデータ専用SIMの場合、
ユニバーサル料がかからないケースもあります。
まとめ:ユニバーサル料は「見えない社会インフラ」
ユニバーサル料は、
- 金額が小さい
- 普段意識することが少ない
- 明細の端にひっそり載っている
という理由から、不満や誤解を持たれがちです。
しかし実際には、
- 災害時の通信確保
- 緊急通報の信頼性
- 全国どこでも電話が使える安心
を支える、極めて重要な社会インフラの一部です。
月数円の負担で、誰も取り残されない通信環境を維持している――
それがユニバーサル料の本当の役割なのです。