政府が推進する「マイナンバーカードの健康保険証利用」、いわゆるマイナ保険証が徐々に普及し、2024〜2025年にかけては従来の健康保険証の廃止が段階的に進むとされています。そこで今回は、
- マイナ保険証とはどんなものか
- なぜ導入されるのか
- これまでの紙の保険証はどうなるのか
- 今やるべき手続きはあるのか
- メリット・デメリット
- よくある質問
などを、徹底解説します。
健康保険証の移行に不安を感じる方や、そもそも制度の概要を知りたい方にとって、必要な情報をすべてまとめた内容になっています。
1. マイナ保険証とは?
● マイナンバーカードを健康保険証として使う仕組み
マイナ保険証とは、マイナンバーカードに健康保険証としての機能を紐づけて使う仕組みです。
カード自体はすでに多くの人が持っていますが、健康保険証として利用するには追加の申し込みが必要でした。
マイナンバーカードのICチップに保険資格情報が直接入っているわけではなく、医療機関の専用端末を使ってオンラインで資格を確認する仕組みです。これにより、転職や引っ越しで保険証が変わっても、最新情報が自動で更新されるようになります。
● 従来の「健康保険証」との違い
これまでの紙の健康保険証(プラスチックカードの場合もあり)は、
- 健康保険組合
- 国民健康保険
などから交付され、そのカードを提示することで医療費の自己負担が適用されました。
一方マイナ保険証では、
- 顔認証またはカードによる本人確認
- オンライン資格確認(受付が自動で保険資格を確認)
がセットで運用されるため、より正確かつスピーディな資格確認が可能になります。
● 利用できる場所
マイナ保険証は以下の場所で利用できます。
- 病院
- クリニック
- 歯科
- 調剤薬局
- 一部の訪問看護・訪問診療
現在はほとんどの医療機関で利用可能ですが、すべての場所で対応しているわけではないため、事前に確認することも重要です。
2. マイナ保険証が導入される背景
● 健康保険証の廃止方針
政府は「行政のデジタル化」を強化する一環として、従来の健康保険証を段階的に廃止し、マイナンバーカードと一体化させる方針を打ち出しました。
この背景には以下の目的があります。
- 資格確認のデジタル化
医療機関での資格確認をオンライン化し、誤った保険証使用や資格喪失によるトラブルを防ぐ。 - 医療DXの推進
電子カルテ・診療情報・薬剤情報などの共有を進め、医療の質を向上させる。 - 保険証発行コスト削減
保険証の印刷・郵送・更新にかかる費用が毎年数百億円規模で発生しており、それを削減。 - カード紛失によるリスクを統一管理
本人確認を一元化することで、情報漏えいのリスク管理を改善。
こうした政策目的から、マイナ保険証の導入が進められています。
3. 紙の健康保険証はどうなる?廃止時期は?
● 健康保険証は「段階的に」廃止
政府は2024〜2025年にかけて段階的に健康保険証の廃止を進めており、将来的にはマイナ保険証に一本化される予定です。
ただし、移行がスムーズに行われるよう、過渡期には以下のような措置があります。

● 廃止後もしばらくは「発行され続ける」
制度移行が間に合わないケースに備え、「資格確認書」という紙の証明書が発行されます。
これは、
- マイナンバーカードを持っていない
- マイナ保険証の申込をしていない
- 紛失や故障でマイナンバーカードを使えない
といった場合でも医療を受けられるようにするためのものです。
つまり、マイナンバーカードがなくても医療が受けられなくなることはありません。
4. 現在持っている健康保険証はどうすればいい?
● そのまま有効期限まで使える
現在あなたが持っている紙の健康保険証は、
有効期限まではそのまま使用できます。
無理に破棄したり、返却したりする必要はありません。
● マイナ保険証を申し込むと自動的に切り替わる?
切り替わるのは「資格確認のしくみ」であって、紙の保険証が即時無効になるわけではありません。
マイナ保険証を申し込む
→ 紙の保険証も併用可能(ただし将来的に一本化)
という形です。
● 廃止後は「資格確認書」が届く可能性がある
もし健康保険証の完全廃止が始まった時点で、マイナ保険証を申し込んでいない場合は、保険者から「資格確認書」が郵送されます。
これを持っていれば医療機関で問題なく受診できます。
● 紙の保険証は捨ててもよい?
有効期限が切れた後は捨てても構いませんが、個人情報が含まれているため、
シュレッダーで裁断する/細かく破って処分する
などの配慮が必要です。
5. マイナ保険証のメリット
● (1)転職・引越し後も最新の保険情報が自動反映される
従来は保険資格が変わるたびに新しい保険証が郵送されていましたが、マイナ保険証はオンラインで最新情報が管理されます。
● (2)薬剤情報・特定健診情報が医師と共有される
これにより、
- 重複処方
- 過剰投薬
- アレルギーの見落とし
を防ぎ、医療の安全性が向上します。
● (3)保険証の紛失リスクが減る
マイナンバーカード1枚に集約されるため、複数のカードを管理する必要がなくなります。
● (4)医療費控除の手続きが簡単に
確定申告で医療費情報を自動取得できるため、領収書を1枚ずつ入力する手間が大幅に減ります。
● (5)窓口での支払いが安くなる場合がある
マイナ保険証を使うと、「特定健診」「薬剤情報」などが自動で確認できるため、
一部の医療機関では窓口負担の計算が正確になり、支払いが軽減される可能性があります。
6. マイナ保険証のデメリット・注意点
● (1)カード紛失時のリスク
マイナンバーカードを紛失すると健康保険証としても使えなくなるため、早急な停止手続きが必要になります。
● (2)読み取れない医療機関がまだ存在する
オンライン資格確認に未対応の医療機関は徐々に減っていますが、地方や小さな診療所ではまだ存在します。
その場合は紙の保険証(または資格確認書)が必要になります。
● (3)システム障害によるトラブルリスク
オンライン設備に依存するため、通信障害が起きると資格確認に時間がかかる可能性があります。
● (4)情報管理に対する不安
個人情報がオンラインで扱われるため、「セキュリティ面が心配」という声も少なくありません。
ただし政府は引き続き改善を進めています。
7. マイナ保険証へ切り替える手続き
● スマホまたはPCで簡単に登録可能
手続き方法は以下の通りです。
- マイナポータルへアクセス
- 保険証利用の申込みを選択
- マイナンバーカードを読み取る(スマホ対応機種のみ)
- 申込み完了
5分程度で完了します。
● コンビニ・市役所でも手続き可能
スマホがない、対応していない場合は
- 市区町村の窓口
- 一部コンビニ端末(マイナ受付対応)
などでも手続きできます。
8. マイナ保険証に関するよくある質問
Q1. マイナンバーカードを持っていないと医療が受けられなくなる?
→ 受けられます。
マイナンバーカードがなくても「資格確認書」が発行されます。

Q2. 紙の保険証はいつまで使える?
→ 有効期限まで使えます。
廃止後、保険者から通知や新しい資格確認書が届きます。
Q3. マイナ保険証の登録は必須?
→ 必須ではありません。
ただし、将来的な保険証の一本化に向けて登録が推奨されている状態です。
Q4. 子どもや高齢者も申込みが必要?
→ 子どもは保護者が代理で申込み可能。
高齢者も同様ですが、カードの紛失リスクなどは考慮が必要です。
Q5. カードを忘れたらどうなる?
→ 紙の保険証や資格確認書があれば問題ありません。
9. まとめ:今後は「マイナ保険証が基本」に
マイナ保険証は、
- 医療サービスの質の向上
- 手続きの簡素化
- 保険証管理の一元化
を目的に導入された新しい仕組みです。
一方で、
- システム障害の懸念
- 紛失時リスク
- 情報管理への不安
など、課題が残っているのも事実です。
とはいえ、将来的には健康保険証が廃止され、マイナ保険証が標準となる社会が到来することはほぼ確実です。
現時点では、
- 紙の保険証は有効期限まで使える
- マイナ保険証は自分のタイミングで申し込める
- 申し込まなくても医療を受けられる仕組みが整備される
という点を知っておくことが大切です。
マイナ保険証への移行はまだ完全に定着していませんが、今後ますます普及していくことは間違いありません。
制度をしっかり理解し、自分に合った方法で準備しておくと安心です。