日本を代表するICT企業として長い歴史を誇る富士通(FUJITSU)。その中でも、同社が展開するパソコン事業は、国産ブランドの象徴として確固たる地位を築いてきました。
世界市場では外資系メーカーが台頭し、国内でもパソコン需要の構造が変化し続ける中、富士通は“安心の国産品質”や“堅牢・信頼性”を強みに、独自のラインアップで存在感を維持し続けています。
- 富士通の歴史
- PCブランド「FMV」誕生の背景
- 国内トップクラスの支持を受ける理由
- 製品ラインアップと特徴
- 技術的強み・他社との違い
- 近年の事業構造改革やLenovoとの合弁について
1. 富士通(FUJITSU)とはどんな企業か?
富士通株式会社は1935年に富士電機の通信部門が独立する形で設立され、日本を代表する電気通信・ICT企業として発展してきました。現在では、
- ITソリューション
- 通信システム
- サーバー・ストレージ
- セキュリティ
- 半導体(かつては大きな分野だったが現在は縮小)
など、多岐にわたる事業を展開する総合ICT企業です。
国内外で高い信頼を誇り、特に企業や自治体向けのシステムインテグレーションで圧倒的なシェアを持ちます。それと同時に、一般消費者にとっての富士通のイメージは「パソコンメーカー」。
日本のPC市場におけるパイオニアの一社であり、そのブランド名「FMV」は長く国民に親しまれています。
2. 富士通のパソコン事業の歴史 ― 『FMV』誕生から現在まで

● 2-1:黎明期 – 日本のPC開発をリードした1980〜90年代
1980年代、富士通は「FM-7」「FM-77」「FM TOWNS」など、当時のパソコン市場で独自路線を歩み、多くのファンを獲得しました。特にゲーム・教育用途として人気があったFM TOWNSは、当時のPCとしては先鋭的な機能を搭載し、「日本のPC文化の原点」とも言われています。
● 2-2:1993年、FMVシリーズ誕生
現在でも続く「FMV」は1993年からスタートしたブランドです。
FMVは富士通のPC事業の転換点となり、
- Windows搭載PCの本格展開
- 家庭向けPC市場への参入
- 大規模なテレビ広告展開
などを通じ、国内PC普及の一翼を担いました。
90年代後半、日本の家庭にパソコンが広がり始めた時期に、FMVブランドは「初心者でもわかりやすく、使いやすい国産PC」として広く認知されます。
● 2-3:2000〜2010年代の円熟期 ― 国内メーカーとして高品質化を継続
2000年代以降、富士通は
- ノートPCの軽量化
- 堅牢筐体の強化
- セキュリティ機能の高度化
- 国内生産の維持
などを背景に、特に法人向け市場で圧倒的な存在感を示しました。
また、家庭向けPCでは「FMV-BIBLO」「FMV-LIFEBOOK」など多彩なシリーズが展開され、デザインの良さや豊富な用途に応じたラインアップが人気を集めています。
● 2-4:2016〜現在 ― Lenovoとの合弁でグローバル強化へ
2016年、富士通はPC事業を「富士通クライアントコンピューティング株式会社(FCCL)」として独立させ、2018年にはLenovoが同社株式の過半数を取得しました。
これにより、
- 富士通の品質管理・設計思想
- Lenovoの生産効率やグローバル販売網
が融合した体制となりました。
しかし、富士通ブランドは維持され、FMVは今も「国産品質」を特色に日本市場へ展開されています。この点は他の国内メーカーが海外ブランドへ統合される流れとは対照的で、富士通PCの強みは“国産の安心感”という価値のままです。
3. FUJITSUのPCが選ばれ続ける理由:強みと特徴

富士通のPCが長年支持される理由を、他メーカーと比較しながらまとめていきます。
3-1:安心の国産品質 ― こだわり抜いた「MADE IN JAPAN」
富士通のPCは、主に
- 島根県出雲市
の工場で生産されており、国内生産ならではの高品質・高精度な製造が行われています。
富士通が国内生産にこだわる理由は以下の通り:
- 精密作業を高品質で行える
- 仕上げ精度が高い
- 不具合率が低い
- ユーザーの使用環境(湿気・温度・持ち運び)を想定した設計が可能
- 改良のフィードバック速度が速い
こうした「日本の実情に合わせたPCづくり」が可能な点は、大量生産型の海外メーカーには真似しにくい強みです。
3-2:キーボード品質の高さ ― 日本語環境に最適化された設計
富士通PCの評価で特に高いのがキーボードです。
特徴としては、
- 打鍵感が心地よい
- 主要キーの間隔が広く打ちやすい
- 日本語入力(かな・漢字変換)を考えた配列
- 誤入力を防ぐキーの配置
特にLIFEBOOKシリーズでは、独自の“ステップ型キーボード”が採用されており、指が滑りにくくタイピングミスが減ると好評です。
文章作成や在宅ワークが増える現代において、キーボードの品質は作業効率を大きく左右するため、多くのユーザーが富士通を選ぶ理由となっています。
3-3:軽量・堅牢 ― モバイルPCの技術力が高い
富士通は超軽量・薄型ノートPC開発の先駆者でもあります。
特に「LIFEBOOK UHシリーズ」は、世界最軽量クラス(700g前後)のモデルを長年生み出し続けており、
- 持ち運びやすさ
- 堅牢性
- バッテリー持ち
- 排熱設計
で高い評価を得ています。
軽量化と堅牢性を両立する独自技術は、富士通のPC開発力の象徴と言える存在です。
3-4:国内ユーザー向けの手厚いサポート
富士通はサポート体制の充実度が国内でもトップクラスです。
- 日本語でのサポート
- 購入後の安心サポートサービス
- 故障時の迅速な修理体制
- 店頭相談窓口の充実
特に初心者やビジネス利用者にとっては、このサポート品質は大きな魅力です。
3-5:初心者にも使いやすいソフトウェア構成
FMVシリーズには、
- バックアップ機能
- セキュリティ機能
- パソコン初心者向けの学習ソフト
などが標準で搭載されており、買ってすぐ使いやすいのが特徴です。
4. 製品ラインアップ:家庭向け・法人向けの各モデルを紹介
富士通のパソコンは大きく分けて
・家庭向け(FMV)
・法人向け(LIFEBOOK、FMV-ESPRIMO 等)
に分類されます。
■ 4-1:家庭向けFMVシリーズ
家庭向けPCは以下の用途別ラインが主流です。
● AHシリーズ(スタンダードノート)
- 入門〜中級者向け
- 大画面で動画視聴・学習にも最適
- 15.6インチが中心
● UHシリーズ(軽量モバイル)
- 持ち運び重視の薄型軽量
- 重量700g台のモデルが人気
● CHシリーズ(デザイン重視)
- カラーバリエーション豊富
- ファッション性と性能の両立
● デスクトップ WA/WDシリーズ
- 家庭の据え置き用
- 大画面・高音質スピーカー搭載モデルも
家庭向けモデルは「初心者でも安心して使える設計」が特徴で、初めてパソコンを買う家庭に特に人気があります。
■ 4-2:法人向け LIFEBOOK(ノート)・ESPRIMO(デスクトップ)
法人向けモデルは長年、
- 企業
- 大学
- 官公庁
- 医療現場
など、国内の幅広い業種で採用されています。
● 主な特徴
- 堅牢性が高い
- 長時間バッテリー
- 指紋認証・顔認証などセキュリティが強力
- カスタマイズ自由度が高い(企業向け)
- 長期供給で導入しやすい
特にLIFEBOOKのモバイルモデルは、“落としても壊れにくい”“キーボードが強い”といった耐久性が要求される現場で高評価です。
5. 他メーカーとの比較 ― どんな人に富士通PCが向いているか?
ここでは、国内外のメーカーと比較しながら富士通の特徴を整理します。
● NEC(LAVIE)との比較
- 共通点:国産品質、初心者向け、国内サポートが充実
- 違い:NECはデザインや音響が強み、富士通は軽量性と堅牢性が強み
● Dell・HPなど海外メーカーとの比較
- 価格帯は海外勢の方が割安
- 富士通は国内生産による品質の高さで優位
- サポートが圧倒的に手厚い
- 日本語キーボードの使いやすさが段違い
● Appleとの比較
- Appleはクリエイティブ用途に強い
- 富士通はオフィスワーク・ビジネス用途に最適
- Windows環境に慣れたユーザーは富士通が安心
● ASUS・Lenovo等の海外ブランド
- 価格の安さとスペックは魅力
- 安心感・キーボード品質・耐久性は富士通が優位
総合的に言えば、富士通PCは「長く安心して使いたい」「サポート重視」「仕事用途中心」というユーザーに最適という位置づけになります。
6. 富士通の技術力 ― 世界最軽量PCや堅牢設計の裏側
富士通は「軽量化」「堅牢性」「冷却性能」において世界トップクラスの技術を持っています。
● 世界最軽量クラスPCの開発力
UHシリーズの開発では、
- マグネシウム合金
- カーボン素材
- 剛性を保つための内部フレーム設計
などが駆使されています。
軽くするだけではなく、
「軽さ・耐久性・性能のすべてを両立する」
という点で技術力の高さがうかがえます。
● 堅牢性への徹底したこだわり
法人向けLIFEBOOKでは、
- 落下試験
- 振動試験
- 高温・低温耐性
- キーボード耐久試験
など厳しいテストをクリアしています。
特にキーボードは1000万回以上の入力に耐える設計になっており、長期利用に強いのも特徴です。
7. 富士通PC事業の現在と未来 ― Lenovoとの協業でどう変わる?
● 富士通クライアントコンピューティング(FCCL)
富士通のPC事業は、現在FCCLとして独立して運営されており、
- 富士通ブランドの維持
- 国産品質の継続
- Lenovoの生産力・コスト力の活用
という体制となっています。
● 将来の方向性
- 薄型・軽量PCのさらなる進化
- 高耐久PCの強化
- AIを活用したユーザーサポート
- 省エネ技術の強化
- 学校・教育向けPC市場への注力
特に教育向けPC(GIGAスクール構想)では、富士通は堅牢性の高いモデルを多数投入し、学校からの需要が増えています。
8. まとめ:富士通は「信頼性」「国産品質」を求めるユーザーにこそ最適なPCメーカー
富士通(FUJITSU)は、
- 日本のPC文化を支えてきた老舗メーカー
- 国産品質・高耐久・軽量化技術が強み
- 国内サポートが非常に充実
- 初心者・ビジネス利用者に最適
という明確な価値を持つ存在です。
海外メーカーが性能・価格競争を激化させる中でも、富士通は「安心して長く使えるPC」という軸を守り続けており、この点は多くのユーザーから高く評価されています。
今後はLenovoとの協業により、
- より高品質
- より高コストパフォーマンス
- 先進的な設計
が期待され、富士通のPCブランドはますます進化していくことでしょう。