スマートフォン業界において、ここ数年で急速に存在感を高めているメーカーの一つが「OPPO(オッポ)」です。
日本でも家電量販店や通信キャリアの店頭で見かける機会が増え、「高性能なのに価格が手頃」「デザインが洗練されている」といった評価を得ています。
しかし、「OPPOってどんな会社?」「どこの国のメーカー?」と疑問に思う人も多いのではないでしょうか。

■ OPPOとはどんな会社?
OPPO(正式名称:Guangdong OPPO Mobile Telecommunications Corp., Ltd.)は、中国・広東省東莞市に本社を置くスマートフォンメーカーです。
2004年に設立され、当初はDVD・MP3プレイヤーなどの家電製品を手がけていましたが、2008年頃から本格的に携帯電話・スマートフォン事業に参入しました。
OPPOは世界最大級のエレクトロニクス企業グループ**BBKエレクトロニクス(歩歩高集団)**の一員です。
このBBKグループには、vivo(ビボ)やOnePlus(ワンプラス)、realme(リアルミー)などのブランドも含まれており、グループ全体で見るとAppleやSamsungに次ぐ世界トップクラスのスマホ出荷台数を誇ります。

■ OPPOの企業理念とブランドメッセージ
OPPOのブランドスローガンは、
「Inspiration Ahead(インスピレーションをその先へ)」。
このメッセージには、単なる技術革新に留まらず、人々の生活に新しい発想や感動をもたらす企業でありたいという思いが込められています。
実際、OPPOは「ユーザー体験」を非常に重視しており、カメラ機能やデザイン、充電速度など、日常生活の使いやすさを追求した開発が特徴です。
■ 世界市場でのシェアと存在感
OPPOは2020年代に入ってから、世界的に急成長を遂げています。
調査会社IDCによると、OPPOは世界のスマートフォン市場で常にトップ5に入るメーカーであり、特にアジア市場では高いシェアを持ちます。
- 中国本土ではHuaweiやXiaomiと並ぶ人気ブランド
- インドや東南アジアではトップクラスのシェア
- ヨーロッパ市場にも積極展開中
グローバル市場では、「デザイン性」「カメラ性能」「高速充電技術」で評価され、ミドルレンジからハイエンドまで幅広いラインナップを展開しています。
■ 技術革新と独自技術の強み
OPPOの最大の魅力は、他社にはない革新的な技術力にあります。
特に以下の3つの分野で世界をリードしています。
① 超高速充電技術「SUPERVOOC」
OPPOは早くから急速充電技術に力を入れており、同社独自の「SUPERVOOC」技術は、わずか30分ほどでフル充電が可能なレベルにまで進化しています。
この技術は他ブランド(OnePlusなど)にも応用されており、スマホ充電のストレスを大幅に軽減する革命的技術として知られています。
② カメラ技術の革新
OPPOは「カメラスマホ」の分野でも高い評価を受けています。
特に、自撮り(セルフィー)に強いブランドとして若年層に人気があります。
AIを活用した美顔補正、ナイトモード、高倍率ズームなどの機能が進化を続けており、近年ではプロ向けのカメラアプリも搭載されています。
さらに、OPPOは世界で初めてポップアップ式カメラや**画面下カメラ(Under Display Camera)**を商用化し、スマホのデザイン自由度を大きく広げました。
③ デザインと品質へのこだわり
OPPOは製品デザインにも強いこだわりを持っています。
ガラスと金属を組み合わせた高級感のあるボディ、曲線的なフォルム、カラーバリエーションの豊富さなど、他社にはない洗練された美しさが特徴です。
また、品質管理にも厳格で、製品出荷前に数百項目にわたる耐久テストを実施していることでも知られています。

■ 日本市場への参入と戦略
OPPOは2018年に日本市場へ正式参入しました。
それまで日本ではあまり知られていなかった中国メーカーですが、参入当初からSIMフリースマホ市場を中心に着実にシェアを拡大しています。
日本市場向けに特化したローカライズも徹底しており、
- おサイフケータイ(FeliCa)対応
- 防水・防塵機能の強化
- 日本語UIの最適化
など、日本人のニーズに合わせた機能を積極的に取り入れています。
これにより、「海外メーカーなのに使いやすい」「コスパが高い」と評され、特にRenoシリーズやFindシリーズが人気を集めています。
また、NTTドコモ、au、ソフトバンクといった主要キャリアでも取り扱いが進み、認知度は年々上昇しています。
■ OPPOが注力する次世代技術
OPPOは現在、スマートフォンだけでなく、IoT・AI・XR(拡張現実)・折りたたみ端末などの分野にも力を入れています。
折りたたみスマホ「Find N」シリーズ
OPPOの「Find N」シリーズは、SamsungのGalaxy Z Foldシリーズに対抗する形で開発された折りたたみスマホです。
ヒンジ構造や折り目の少ないディスプレイ設計が高く評価され、ユーザー体験を重視した完成度の高さで話題を呼びました。
AIとクラウドの融合
OPPOはAI研究所を世界各地に設立しており、カメラ処理、音声認識、電力最適化などにAI技術を応用しています。
今後はスマホ+AI+クラウドを軸にしたエコシステム構築を目指しており、単なる端末メーカーから総合テックブランドへ進化を遂げようとしています。

※OPPO Find N5
※日本国内では未発売
■ OPPOが評価される理由と今後の展望
OPPOがここまで成長した背景には、
- ユーザー視点に立った製品開発
- 技術革新への継続的な投資
- デザインと機能の両立
- 各地域に合わせた柔軟な戦略
といった総合力の高さがあります。
特に日本では、ミドルレンジ帯のコスパ機種として「Reno」シリーズが人気を集めており、他社製品と比べてもコストパフォーマンスが抜群です。
一方で、OPPOは単なる“安くて良いスマホメーカー”に留まらず、今後はハイエンド市場でもSamsungやAppleに匹敵する存在を目指しています。
実際、2020年代後半にはARグラスやAIスマートリングなど、新たなデバイス領域にも挑戦しており、
「ポストスマートフォン時代」を見据えた動きが加速しています。
■ まとめ:OPPOは「次の主役」を狙うグローバルブランド
OPPOは、わずか20年足らずで世界トップメーカーへと成長した、中国発の革新的テクノロジーブランドです。
その強みは、技術力やデザインだけでなく、ユーザーの使いやすさを追求する姿勢にあります。
日本でも確実にファンを増やしており、
「ハイブランドと同等の機能をより身近な価格で」
という価値を提供する存在として、今後さらに注目が集まるでしょう。
スマートフォンの枠を超え、AI・IoT・XRなど次世代分野へ挑戦を続けるOPPO。
その歩みは、まさに「Inspiration Ahead」──
私たちの生活に新しい発想と感動をもたらす企業として、これからの成長がますます期待されます。