AIパソコンが話題になっています。
AIパソコンと呼ばれる機種のCPUには、Intelの「Core Ultra」、Qualcomm(クアルコム)の「Snapdragon X Elite」、AMDの「Ryzen AI」といったCPUがあります。
今回は、AIパソコンと呼ばれるきっかけと言えるQualcomm(クアルコム)の「Snapdragon X Elite」と王道のCPUと言えるIntelの「Core Ultra」を比較していきます。

○ AIパソコンとは
AIパソコンの定義は、企業によって違いがあります。
そのため、共通認識である項目だけご紹介します。
◆ NPUが搭載されている
NPU (Neural Processing Unit)は、AI処理を行ってくれるプロセッサーです。
AI処理などを低消費電力で行ってくれます。
1秒間に何兆回演算できるのかという数値を表す「TOPS」というのがあり、現在は、10~16TOPSあたりです。
今後、新しく開発されると30~40TOPSくらいまで上がってくるでしょう。
◆ Copilotキーが搭載されている
Microsoft社が開発したAI機能は「Copilot」です。
そのCopilotをより快適に使うために、Copilotキーを搭載されるようになっています。
Copilotキーを押すだけで、Copilotが起動するようになっていて、AI機能を身近に感じられるようになっています。
Copilotキーがなくても、Windows OSのアップデートにより、Copilotは使うことができます。
ただ、その場合、NPUが搭載されていない機種がほとんどのため、AIパソコンと呼ばれてはいないということです。
○ 「Intel Core Ultra」とは
Intel社が開発した「Intel Core Ultra」は、「AI性能」と「グラフィック性能」を高めたCPUです。
○ Intelシリーズ
◆ Intel Core i3・i5・i7・i9
第14世代までのシリーズがパソコンに搭載された上で、商品化されています。
IntelのCPUと言えば、このシリーズを思い浮かべる方が多いでしょう。
◆ Intel Core 3・5・7
先ほどご紹介した第14世代までのシリーズと同時期に搭載されたパソコンが発売されたりしています。
シリーズとしては、第1世代となります。
新しく開発されたこともあり、性能のバランスが整っているので、使いやすいCPUと言えるでしょう。
◆ Intel Core Ultra
Intel Core シリーズの中での上位版という立ち位置と思ってもらえたら良いと思います。
AI機能とグラフィック性能を高めて開発されているため、動画編集などにも向いているCPUです。
現在発売されているパソコンには、第1世代が搭載されています。
今後、第2世代の「Intel Core Ultra」が発売されていく見込みとなっています。
○ 「Snapdragon X Elite」とは
Qualcomm社が開発したパソコン用のCPUです。
Qualcomm社は、Androidスマホに「Snapdragon」シリーズを搭載して、提供を行っている半導体メーカーです。
今回の「Snapdragon X Elite」は、スマホ用ではなくパソコン用のCPUということで、話題になっています。
これまでパソコン用のCPUは、Intel社かAMD社が主流だったため話題となったということです。
実際に、使ってみないと性能はまだまだ未知数と言える状況ではあります。
「Snapdragon X Elite」がPro版とした場合、通常版と言える「Snapdragon X Plus」も同時に提供開始されています。
○ 「Intel Core Ultra」のメリット・デメリット
【メリット】
・高性能でグラフィック性能が高い
Intel Core Ultraは、「AI機能」と「グラフィック性能」が上がっています。
AI機能の面は、利用者側によって必要性が変わるため、AI機能がなくても問題ない方は多いでしょう。
グラフィック性能は、上がってくれると嬉しい面が多くあります。
全体的な処理能力が上がるのは、もちろんですが、動画編集やイラストレーターといったような画像処理が必要なソフトを使う方が増えているのもあり、パソコンを利用する側としては嬉しい部分です。
・持ち運びがしやすくなる
GPUと呼ばれるグラフィック性能に特化したプロセッサーがあります。
これまでは、CPUとは別にGPUが搭載しているパソコンを選ぶというのが一般的でした。
もちろん、専門的に特化してパソコン利用を行うなら、CPUとGPUの両方とも搭載しているパソコンを選ぶべきではあります。
ただ、CPUとGPUを搭載しているパソコンは、廃熱処理などの兼ね合いもあり、比較的に大きくなり、重量も重くなる傾向にあります。
そのため、持ち運びには適してはないような機種ばかりでした。
そんな中で、今回のIntel Core Ultraがグラフィック性能を比較的に高く開発されたことで、モバイルノートパソコンに搭載されていれば、持ち運べるというメリットができました。
グラフィック性能は、GPUのGeforce 3050くらいの性能があると言われています。
あくまでも、数値上の話なので、実際には、GPUを別で搭載されている機種の方が良いのは間違いありません。
【デメリット】
・価格が高い
性能が高くなれば、価格が上がるのは当然と言えます。
Intel Core Ultraは、まさに、そういったCPUと言えるでしょう。
特に、持ち運びがしやすい軽量のモバイルノートパソコンに搭載されると、価格が上がるのは無理もないでしょう。
・Intel Core Ultra 3はない
Intel Core i3のように、 性能が低いですが、Microsoft Officeなどの作業は行えるCPUはあります。
ただ、Intel Core Ultraの場合、5・7・9となっています。
そのため、性能がそこまで不要で、価格を抑えたい方には不向きと言えます。
○ 「Snapdragon X Elite」のメリット・デメリット
【メリット】
・新しいCPU
Microsoft社が、開発して、販売しているMicrosoft Sufaceに搭載して話題となっています。
Apple社のMacBookに搭載しているM3チップよりも処理能力が高いと言われていて、新しいCPUという面ではメリットがあります。
・熱には強い
Snapdragonシリーズは、Androidスマホに搭載していることで、熱を持ちにくい仕様となっています。
パソコン用のCPUとしては、どこまで機能性を発揮するのかは分かりませんが、Microsoft Surfaceの場合、実際に、冷却ファンのみで、廃熱するためのファンが搭載されていません。
そのため、熱を持ちづらい仕様というのは、パソコン用のCPUにもつながっているというのはあります。
仕様としてはメリットではあるのですが、熱くなることはあると思うので、熱くならないということはないという認識は持った方が良いでしょう。
【デメリット】
・価格が高い
価格は、徐々に下がってくるのはあると思いますが、やはり、新しいCPUということもあり、価格が平均よりも高いというのはあります。
例えば、Microsoft Surfaceシリーズだと、20万円~となっています。
ノートパソコンに20万円を出そうと思う方はそうは多くないでしょう。
・一部ソフトが非対応
動画編集ソフトやイラストレーターのソフトなどが非対応となっています。
主なところだと、Adobeの一部ソフト、イラストレーターの一部ソフト、一部のセキュリティソフトといったように、非対応なものがまだまだあります。
買うかどうかで迷うポイントとして、1番影響しているのが、この点です。
価格が上がり、一部ソフトが使えず、使えなくても返品ができないとなると、手が出しづらいという流れです。
元々、IntelのCPUがメインで発売されていたことで、ソフトメーカーもIntelベースになっていることが多いため、新しいCPUとなると、対応できるのに時間がかかるということです。
今後、対応がどこまで進むのかが売れ行きのカギになりそうです。
○ 正直、どっちを買うべき?
「Intel Core Ultra」と「Snapdragon X Elite」を比較した上で、どっちを買うべきということを考えると、
おすすめは、「Intel Core Ultra」です。
理由は明確で使えないソフトがある中で、20万円越えのパソコンを買うのはリスクが高いということです。
あとは、全体的な処理能力はもちろんのこと、グラフィック性能に分けて考えても、「Intel Core Ultra」の方が処理能力が高く、使いやすいのはあるでしょう。
基本的に、非対応のソフトもなく使えるという安心感が1番かもしれません。
○ まとめ
「Intel Core Ultra」と「Snapdragon X Elite」について、比較して、おすすめをご紹介しました。
いかがでしたでしょうか。
AIパソコンが、必要不可欠というと、そんなことは一切ありません。
AI機能も実用的なのかというと、活用できる方はいるにしても、割合は少ないというのが現状です。
ただ、高性能でグラフィック性能も高く、AI機能も使えるパソコンに興味のある方には、向いているので、ぜひ、チェックしてみてください。
